第170話 【シュライン】の夜⑥

 私がエリーゼを誘うと、彼女はすぐさま横に潜りこんでくる。


「添い寝してあげるんだから早く寝るんだよ?」


 そう呟いて私は目を閉じる...。


〜数秒後〜


 ギュッ...。


 私が目を閉じた瞬間に彼女が私の事を抱きしめてきた。


「ケロナお姉様...」


 私の名前を呟きながら抱きつかれるのはなんだかむず痒い...。


「いいから眠りなさい...」


 私の言葉に彼女は「はい...」と答える。


「お姉様の匂い...、暖かくて優しい...」


 彼女はそれだけ呟くと静かに目を閉じた。


 私もゆっくりと目を閉じて眠りにつく。


 こうして誰かと抱き合って眠る行為が落ち着くのは分かるけれど、正直言ってサラ以外とやるのはめっちゃ恥ずかしい...。


(今日だけだからね...)


 と心の中でエリーゼに囁いた後に寝息を立てる私...。


 ゆったりとした夜の時間に身を溶かしながら眠るのは心地良い...。


 意識がなくなっていく感覚に身を任せながら、私は眠りにつくのでした。

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