第796話 【次元龍】VS【雷帝】④

 我は【雷帝】に言われるがままルールを確認する。


「なんだ? ただのレースか?」


「言ってしまえばその通りだ、ただカートに乗って3周するだけの単純なゲーム、ただし妨害ありの激しいレース性だがな」


「なるほどな、妨害あり...か」


 むしろ妨害ありの方がやりやすい。


 正直言ってレースガン無視で【雷帝】を潰しにかかった方が早いと考えている。


(まずは【雷帝】を潰してから3周しよう)


 そんな事を考えていると奴が我にカートの提供をしてくる。


「この中から好きなのを選ぶと良い、なぁに安心しろ、どれを選んだとしてもそのカートの性能はちゃんとしているからな」


「本当か?」


 そう返す我にポニーが呟いた。


「ケロナお姉様、その言葉だけは信じて貰っても構いません、私が全てのカートを調べましたが、目立っておかしい部分は見当たりませんでした」


 彼女がそう言うのであればそうなのだろう。


「...ではこいつにするか」


 我は中量級の黒いカートを選んだ。


「ほう、バランスの良いカートを選んだようだな」


【雷帝】はそう呟くと自分の巨大なカートに乗り込む。


「では始めるぞ」


「...」


 我と【雷帝】は同時にスタートラインに立つ。


 赤いランプが2回点滅し緑のランプが点灯した!


 いよいよレーススタートだ。


 と同時に我はカートの周りに砂鉄を張り巡らせ、小さな砂鉄龍のような外見を纏わせたのでした。

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