第311話 森は食料の宝庫②

「あっ! お姉様アレなんてどうですか!?」


「んっ? どれ?」


「アレですアレ!!」


 嬉々として指さすエリーゼの指先には赤と白の混じったヤバそうなキノコが木に張り付くようにして生えていました。


 見た感じからして明らかに毒キノコなのを選んでくる彼女の才能には笑うしかない。


「エリーゼ...、ああいう色の強いものは基本的に毒キノコだから食べたらダメよ」


「えっ!? そうなんですか!? ああいう色の強い物って見た事がなかったのでレア物かと思いましたわ!」


(まあ、お金持ちの食卓に毒キノコなんて出てくる訳ないし...、そういう勘違いするのもおかしくはないのかな?)


 そう思っていた私ですが...。


「これなんかどうですか?」


 今度は笑いダケと言う毒キノコを摘んで来た。


「それも毒だね」


「じゃあこれは?」


「それは毒草...」


 なんだかエリーゼの摘んでくる物が全て毒有りの物ばかりのような気がしてきた...。


 実際今のところアイテム袋に入っているのは私の選んだ食べれる野草とキノコばかりだったからである。


 エリーゼが楽しそうなので別に良いのだが、彼女1人で採取をさせるのは危険だと思う私なのでした。

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