第610話 気になる依頼④

 〜約4時間後〜


「いや〜...失敬失敬!! ついつい興奮しちゃったよ!」


 頭を下げながらそう呟いてくる彼女を見て「本当に謝る気があるの?」と言うミカ。


「当然だ! だからこうして謝っているだろう!」


「なんか態度デカイし謝っている人の口調に聞こえないんだけど」


 少し距離を空けるミカと詰めるペリア。


「ちょっ! 依頼内容の事以外では近づかないで!! もう既にペリアの事苦手だから!!」


 と言うミカの言葉にペリアは愕然とする。


「そ...そんな! 私はただ研究者的目線で君の身体を隅々まで調べたいと言う興味要求で裸にひん剥こうとしただけで性的な要求はないよ!?」


「いや! 裸にひん剥こうとしただけで充分やばいからな!!」


 側から見れば人差し指を怪我をした白衣の医者に刺す悪戯少女のようにも見えるが、全くの逆である。


 被害を受けたのは怪我をしてない少女の方で加害者となっているのは怪我をしている医者の方だと言う意味の分からないカオスな空間がこの場には広がっている。


「付き合ってられないな...ミカ、ちゃんと仕事はしておくんだぞ」


「あっ! 師匠!! どこ行くんだよ! 私とこの変質者を一緒にしておくのか!?」


 そう叫ぶ彼女に私はにっこりと微笑みながら【ペリア診療所】の外に出てミルシュとお散歩する事にするのでした。

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