第681話 【ターランド王】⑥
私が全員分の回復を終えると、女性達から感謝されました。
「ここにいる者達は全員あの【ターランド王】に食べられて彼の一部になっていた【フィルア王国】の民です、助けていただき感謝します」
食べられた影響からか民の全員が裸で少し困る現場ではあったけれど、後で王国の倉庫にでも行って衣服をせしめれば問題ないだろう。
「安心して、【ターランド王】なら私がきちんと倒したから」
そう言いながら一刀両断したヤツの死体を見せてやると皆が安堵の息を吐きました。
「良かった、あの化け物が生きていると思うだけで私たちは...」
そっと胸を撫で下ろす彼女のそばに少女が抱きつきました。
「母ちゃん、私たちこれで帰れるの?」
「ああ、そうだよ、このお姉ちゃん達にありがとうって言いなさいね」
「お姉ちゃん達ありがとう!!」
少女に感謝されるのは悪くないのだが...。
「ママ〜!! 早くこのお肉焼いてよ〜!! ミルシュはもうお腹ぺこぺこ〜!!」
今にも生のまま赤い肉片を食べようとしている彼女に注意をしておく。
「はいはい、分かったからちょっと待って...」
そう言いかけた瞬間でした!
「ミルシュ!!!」
「えっ?」
ミルシュの体に赤い肉片が纏わり付いて倒したはずの【ターランド王】に取り込まれてしまう!!
「あいつまだ生きて!!」
私が突貫しようとした次の瞬間!!
「師匠!! 足元!!」
「えっ!?」
私の足に倒したはずの赤い触手が芽を出しているのでした。
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