第44話 未開のダンジョン攻略

「おっ、ようやくきたか」


 ダンジョンの前でディール達が待っているのが見える...。


「ええっ、今日でディール達と仕事をするのは最後だしちゃんと準備してきただけ」


 私の言葉に彼らもサラも俯いていた。


「皆そんな顔しないで、別にこれが今生の別れって訳でもないだろうし....」


「...そうだな! このパーティとしてケロナと最後の仕事をするだけさ! なぁサーシャ! マーヤ」


「ええっ! 最高の仕事終わりにしましょう!」


「涙を流しながらお別れは嫌だもんね、お互いに笑いながら最後を飾りましょう!」


 2人とも吹っ切れてくれたようだ。


 サラだけはまだ納得していないようだったが、いつまでもここにいる訳にはいかないのも事実なので我慢して貰うしかない。


「じゃあ行くか! と言っても後は最奥の祭壇だけなんだけどな」


「祭壇...?」


 私は彼の言葉に耳を傾ける。


「ああ、サーシャが言うにはいかにもお宝がありそうな場所らしいぜ、まあ、でかいボスがいるからそいつを片付けてからでないと探索ができないんだけどな」


「祭壇...」


 その言葉に嫌な事を思い出す...。


「ケロナ姉ちゃん?」


 私の暗い顔を覗き込む彼女にこんな素顔を見せる訳にはいかない。


「ううん、なんでもない、ディール達との最後の仕事だししっかり稼ごう!!」


 から元気を放つ私を心配そうに見つめているサラなのでした。

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