第138話 ワイバーンの住む山④
「わわっ!!」
明らかに3VS1の状況になってからが防戦一方どころか逃げることしかできなくなっているサラの必死そうな声がここまで聞こえてくる。
「サラ!!」
私も思わず声を上げてしまっていた。
「もう良いでしょ!! 早く助けに行かないとサラが!!」
そこまで言ってもレイナは首を縦に振りません。
「ああっ! もうっ!!」
今にも飛び出したくなる感情を抑えてサラのやられ姿を見ているのには限界がやってきます...!。
羽で切り裂かれ、体当たりでどつかれ、尻尾で弾き飛ばされる!!。
「うわっ!!」
一度箒を手放してしまい空中に放り出された姿を見て思わず叫んでしまう私!!。
「サラ!!」
私が叫ぶと同時にすぐさま箒を自分の方に戻してなんとか体勢を整える姿が見えたのでほっと一息はつけますが、やはり私は自分を抑えることができないようでした。
「悪い! レイナ! 私はもうこれ以上サラがやられているところをただこうして見ているだけだなんて我慢できない!!」
私がばっと飛び出そうとした次の瞬間!!。
「【
とサラが叫びました。
「えっ...?」
叫んだサラの方を見てみると、天空より降り注いだ強力な雷で丸焦げになっている3匹のワイバーンの姿が瞳に映ります。
「まさか...、今のをサラが?」
動揺する私にレイナはふふんと笑いながら答えました。
「これで分かったでしょ? サラはケロナが思っているよりも強いって事が、これからは彼女の事を妹としてではなくパーティメンバーとして見てあげてください、その方が私も指導しやすいので」
レイナはサラが反撃しなかったのはあのレベルの電撃を撃つために魔力を温存していたからだと言う。
完全にサラの実力を見誤っていた私は唖然とするしかないのでした。
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