第672話 【フィルア王国】再び⑧

 私はアカギから必要な情報を全て引き出しました。


「情報どうもありがとう、じゃあミカ、アカギに最後のとどめを」


「...」


 私はその場を後にした後に大きな轟音が鳴り響く。


 〜数分後〜


「ミカ」


「師匠...」


 彼女は親の仇にとどめを刺したと言うのに、何故か表情が曇っている。


「どうしたの?」


 そう私が聞くと彼女は静かに答える。


「...それがあまり気が晴れないんです、確かにこの手で親の仇を討ったとは言っても死んだ母さんも父さんも帰ってこないから...」


「ミカ...」


 私にはミカの気持ちがなんとなくわかってしまう。


 仮に大切な人を殺した対象を自分の手で殺めたとしても気分が晴れることなどないのだ。


 それに、殺めた対象の親族や友人などが今度は自分を狙ってくる事も私はには分かっている。


「師匠? 何をしてるの?」


「んっ? ああちょっとね....」


 〜外〜


「アカギのお頭!!」


 そう叫ぶ部下達の目の前で私はアカギの死体を投げ捨てながら、外でアカギの部下達に言い放ちました。


「あんた達のお頭は私が殺した!」


「師匠!?」


 驚くミカを尻目に私は続ける。


「悔しかったら私を殺しに来なさい、いつでも相手になってあげる」


 その言葉に何人かの部下が襲いかかってきたので血祭りにあげてあげましょう。


 私の拳が3人の胸を貫き赤く染まると、次第に怯え始めるアカギ組の集団。


「わわっ...、アカギ組最強の三人衆があんなにあっさりと...!」


「化け物だ!! 撤収!! 撤収!!!」


 私の強さを見たアカギ組の連中は逃げ出しましたが、私の印象を強く意識させるには十分でしょう。


 これでアカギ組がもしもお頭の仇だ! とか言いながら攻めてくるとしても、目的が私になるのですから...。


 弟子に危害が行かないように配慮しておくに越したことはありません。


「師匠...」


 私の方を見てくるミカの表情を見てようやく彼女も理解してくれたようでした。


「大丈夫だよ、ミカ、私は命を狙われる事には慣れてるから」


 にっこりとした笑顔を弟子に見せた後、私はフィルア王国に残って抵抗してきた全てのアカギ組を一人で狩り尽くすのでした。

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