第343話 古塔
「今の声は...なんですの!?」
奴の威嚇行為に怖気付くエリーゼ。
「凄い声だったね! ドラゴンさんも私達の到着に気がついたのかな?」
声を聞いていてもサラはあっけらかんとしているが、その精神はとても穏やかなままでした。
恐らくですが【聖女】の職業補正が発動しているのでしょう。
どんな時でも冷静に状況の判断をしないといけない【聖女】には【回復魔力】と【精神力】のパラメータにとんでもない職業補正が付くのです。
普段ならケロナがこう言う場面で彼女に声をかけるのですが、今はいないので震えてるエリーゼに声をかけたのはプラルでした。
「きっと大丈夫ですよ、さあ行きましょう」
「プラル...」
プラルは私たちの中で1番背こそ低いものの、1番の年配者でしっかり者だと思います。
自分より小さい者に「大丈夫」だと言われて気を取り直すエリーゼ。
「そ...そうですわね! 私がどうかしてましたわ! ありがとうございます」
「どういたしまして」
2人のやりとりを見ていると少し和やかな気分になるが、今から強敵との戦いが待っていると思うと気を引き締めなくてはなりません。
少しずつ足場の悪い古い塔の中を上がっていくと、ついに奴のいる頂上階に到達するのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます