第569話 新しい旅立ちの朝
私が目を覚ますまでの間、特に何もありませんでした。
近くには魔物の気配もなく、ぐっすりと眠れたので体力を充分に確保できました。
私は体を動かしてストレッチをした後に新しい旅に出ます。
とりあえず海岸を歩いていけばどこかで漁村に出るはずだけど、また漁村に立ち寄るってのも味がない。
せっかく皆と別れて旅をしているのだから、ちょっとくらい冒険してもいいだろう。
というわけで私は山の中を一気に突っ走ることにしました。
とは言ってももちろん走るのではなく、木と木の間を掻い潜りながら進むという感じですけどね。
面倒だったら水の魔法で山一つをハゲ山にしてから一気に進んでも良いとは思いますが、それはここに住んでいる動物達に失礼なのであまりしたくはありません。
私も自然に生きる【蛙】の1匹なのだと言うことは常に頭の中に入れておかないと無駄に搾取しても後で絶対に自然の反感を買うのでは意味がありませんからね。
私は【蛙伝雷速】の状態を保ちながら一気に進んでいきます。
森と山の中をまるで山を知り尽くした猿や狼のように素早く移動していく。
勿論その途中で手に入る野草や薬草は次々に手に入れながら旅の路銀にするつもりでいると...。
「おっ、意外と早く次の町に着いたな」
私は遠くから町の壁が見える丘の上に立ち、町を見つめているのでした。
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