第784話 弟子と師匠VS【聖帝】③

 いきなり変な事を言うサラに私は言いました。


「サラ? 師匠である私に待ちなさいとはどう言う事ですか?」


「...言ったままの意味だよ、レイナ」


「...」


 私はその時のサラの雰囲気で何となく察していました。


 いや...、思い返せばガライで戦った時から既に疑いは持っていたのですが、ここ最近の彼女の行動で更にそれは確信へと変わっていました。


 恐る恐る私は自分のの名前を呟く。


「アルフィ...様?」


「...」


 私の言葉にサラではなく【聖帝】が声をあげる。


「ほう? アルフィだと? まさかお前が...か?」


 そう呟いた彼に対し、サラは静かに言葉を漏らした。


「久しぶりねラグネル」


「この感じ...、どうやら本当にアルフィの様だな」


(?)


 2人の会話によりサラの中にアルフィ様がいる事が確定した瞬間ですが、それ以上の衝撃がそこにはありました。


(アルフィ様と【大帝】は繋がっていた!?)


 戸惑いを隠しきれない私を置いて2人は話始めます。


「どうした? お前は人間達の火刑に処されたと聞いていたが?」


「...そうね、私は確かに火刑に処されたし天寿を全うしたわ」


 その時の事は私もはっきりと覚えている。


 師匠は確かに私の目の前で火刑に処された。


 


「でもね、不思議な事にこの世界の少女として転生していたのよ、でもまあその事に気がついたのはつい最近の事だし、貴方の言う通り力は殆ど戻っていないのだけどね」


「それならなぜその様なか弱い少女のままで我が前に現れた? 【大帝】様の【専属眷属】でありながらその任を放棄し旅に出たうつけ者が今更何をしに戻ったと言うのだ?」


「分かっているでしょう? 【大帝】様を止めに来たのよ!」


 アルフィ様が杖を振り回して雷を呼ぶ!


 私のより凄い雷が【聖帝】の周りを取り囲んだのだが...!


「洒落臭い!」


 彼は片手の一振りでそれらをかき消した!


【魔女】アルフィと【聖帝】ラグネルの戦いが今始まる!!

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