第740話 話し合い
「まず、ケロナはどうやって私達を異世界へと送り届けるつもりなのですか?」
レイナは我の提案した【異世界行き】のやり方をきいてきたが、無論答える義理はない。
「すまないな、秘密だ」
「...ケロナ、悪いですけどそれじゃあ本当に【異世界】へと行けるかどうかも確証が持てませんし、せめてどのような方法を取るのかだけでも教えてくれませんか?」
「...すまない、言えないんだ」
我が【次元龍】だから皆を安全に【異世界】へと飛ばせるとでも言えば良いのだろうか?
そんな事を言えば寧ろ反感を買い換えない。
ここは皆に
しかし、その言葉を聞いた彼女は澄ました顔で席を立ちました。
「ケロナ...、今までで1番具体性のない方法を提案してますよ? 貴方らしくもない」
「...」
「私達の知っているケロナはどんな時でもここまで具体性のない提案をしたことはありません、本当に貴方は私達の知っている
仕方がない事だが、あまりにも具体性のない方法を提案した事により疑われてしまっているようだ。
「悪いな、だけど本当に【異世界行き】は成功する、どうか私を信じてくれ」
そう続ける我の姿に彼女はこう切り出した。
「...話になりませんね、貴方と話していてここまで話にならないのは初めてで私も驚いています」
そう言いながら杖を手に取り皆に言い聞かせる。
「これだけの吹雪に見舞われようともこの世界は私の故郷です、この世界に生きる人々を捨てて自分たちだけ【異世界】へと逃げる事なんて私はしたくありません」
彼女の瞳には迷いはない。
「私は【大帝】に立ち向かいます」
その言葉に我は驚く。
「待て! 相手はあの【大帝】だぞ? 言っておくが私が記憶している限りのレイナでは逆立ちしても勝てないと宣告しておくぞ」
そう、我の記憶している限りのレイナ達では絶対に【大帝】には勝てない。
それどころか【帝王】にすら歯が立たないだろう。
「敵わないからと言って抗わないのですか? ケロナ変わりましたね...、不利な戦況をいつも有利へと変えていたのは何処の誰ですか?
その言葉にその場にいた全員がレイナの言葉に乗せられてしまった。
「...そうですわ! ケロナお姉様も力を貸してくださいまし! いつものお姉様ならば【大帝】くらい倒せてしまいますから!」
能天気なエリーゼの言葉に我は思わず苦虫を潰したような顔になる。
(馬鹿どもめ...、お前ら如きでが絶対に敵わないぞ...!)
盛り上がる彼女達の意思を止める事は偽物の
こうなってしまっては仕方ない、もう少し様子を見てからもう一度この話を提案しよう。
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