第207話 【死神】エルサ⑥
「2人とも...凄い」
そう呟いたのは妹であるサラでした。
レイナとエルサが放った魔法の影響で洞窟の中は灼熱のフィールドと化していて、この場所は立っているだけで体力を奪われてしまうほどの熱をこもらせている。
「あ...熱いですわ...」
私達の中で一番魔法耐性のないエリーゼが凄く苦しそうにしていたので、私が2人の戦いの邪魔にならない辺りに水のフィールドを作り上げました。
「【
私の呟きとともに薄い水の膜が3人を包み込み、灼熱の世界から身を守ってくれています。
それを見たエリーゼは驚きながらも私を称える。
「こんな凄い魔法を瞬時に展開できるなんて...、流石ですわ! ケロナお姉様!」
「...」
私は口を出してくるエリーゼの言葉が耳に入ってこなかった。
それよりも2人の戦いの決着が気になってしょうがないのである。
「ケロナお姉ちゃん! レイナさんが勝つよね!?」
「...」
そう妹に袖を掴まれて叫ばれるのだが答えられない。
こうして見ていると、明らかに勝敗は決しているのだが言えなかった。
凄まじい魔力のぶつかり合いは拡散し、洞窟内を破壊していく...。
最初にあったはずの祭壇は溶け始めているし、私の貼った【水の世界】も魔力で補強していないと一瞬で蒸発してしまいそうな程に揺れている。
バチチチチ!!! とどう聞いても熱線同士がぶつかり合っている音ではない音が洞窟中に響く中、ついに勝者が決定するのでした。
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