第649話 定着率30%⑤
「なん...で?」
私の言葉にアポロは笑っていました。
「どんなに無敵な生物にも弱点はあるんだよ、【
「それは...! メイアの声!? なんでお前がそれを!!!」
私の言葉に彼は【聖典】を指さしました。
「彼らの戦闘は全てこの【聖典】に記録されている...、勿論僕の戦闘もね、つまり使おうと思えば【眷属】となった者達全ての技や魔法を扱う事ができるんだよ、この【聖典】はね」
「そんな事が...」
「できるわけないとでも思っていたのか? ちなみに自分よりも下位の魔物を生み出す魔法も【聖典】に選ばれし【眷属】となった者の魔法だぞ」
「...ばかな」
「これを見てもまだ嘘だと思うかい? 【人形化】」
彼が私の方に手を開いて糸を垂らし、私を人形にしてきました。
「これは...! マーカイルの魔法!!」
「そうだよ、君と彼の因縁が面白そうだから使わせて貰った、どうだい? この技で身動きが取れなくなる気分は?」
彼の体から伸びた魔力の糸が私の四肢を捉えて離さない。
(まずい...、体の自由が効かない!)
しかもご丁寧に口にまで糸を回して魔法を唱えられないように縫い付けられている!
「ふぐっ!!」
無理に口を動かそうとしても動かない!
焦る私の体を操り刀を首元に突きつける彼!
「このまま自分の刀でケロナを自害させる事も簡単な事だけど...、それだと【次元龍】達が死んでしまうからね、君との決着はまた別の機会にさせてもらう事にするよ、裏切り者のペリアも片付いたし、僕は他にいる裏切り者の【眷属】達を潰して回らないといけないから、名残惜しいけど一度お別れだね【次元龍】様」
(待てっ!! アポロ!!)
心の中でそう叫ぶ私のことなど気にも止めないで飛び去る彼の姿を見ていることしかできない!
彼が視界から消えて数分後に私を縛っていた消えて自由の身となりましたが、私は心の中にはぽっかりと穴が空いてしまったかのように動けないでいました。
...その理由は分かっています。
「...また【次元龍】の力を借りなかったらアポロには手も足も出なかった...!」
私はその思いだけで胸がいっぱいになっているのでした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます