第588話 【武闘家戦士】の限界突破②

 ようやく職員が起きたかと思えば、気を取り直して再度【限界突破】させてくれました。


「ではもう一度【限界突破】を行います」


「ええ、やって頂戴」


 ミカは更に強くなれるのだと張り切って【限界突破】を受ける。


「汝、更なる力を求めて高みを目指す者、この者にさらなる【限界】を与えたまえ!!」


 凄まじい魔力がミカに注ぎ込まれて今の【限界】を突破するのだが...。


「んっ...? まだレベルが上がるみたいだぞ?」


「そんなバカな!?」


 ギルド職員が再び大きな声をあげる。


 ミカの限界レベルが200から300に上がってもまだ【限界突破】できるらしいのでもう一度やってもらうことにしました。


 再び凄まじい魔力がミカを包み込んで能力値を底上げしてくれる!。


「【限界突破】完了です!」


 と言う声と共に完成されたミカが姿を現す。


「おおっ!? まるで生き返ったみたいに体の中から力が溢れてくるぞ!」


 再度レベルを確認してもらうと、彼女のレベルは287まで上昇している事が分かりました。


「たった1週間でレベルが287まで上がるって...、一体どんな訓練をしたらそうなるんだ...」


 と驚くギルド職員を尻目に私はミカに言いました。


「この調子ならレベル400くらいまで上げれるよな?」


 その言葉に彼女は笑顔で頷きました。


「ええ! 勿論よ! このまま直ぐに師匠を抜いて免許皆伝してやるから見てなさい!!」


 彼女の強気な発言は嫌いじゃない。


 あれだけ痛めつけられてもこれだけの結果が現れたのだから当然と言えば当然の結果ではあるが、ただ訓練しているだけでここまでレベルが上がるのならば仕事を受ける必要は金以外にないだろう。


 と言うわけで早速Aランクの仕事を数件受けて消化しながら更にミカの特訓に付き合い、彼女がレベル400越えの冒険者になるまで育て上げるのでした。

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