27話 異常者同士の探り合い。


 27話 異常者同士の探り合い。


「……まさか、このロボットが真理か? それとも、これがラスボスで、これを倒すと真理を見つけられる的な?」


 などと、センが小首をかしげていると、

 そこで、



「いやぁ、ビックリしまちたねぇ」



 そのロボットの背後から、

 一人のギャルが登場した。


 そのギャルの顔にはハッキリと見覚えがあった。

 『タイプの女だったから』というのも、もちろん理由の一つだが、

 別にそうでなくとも、これだけ強烈な女はなかなか忘れられないだろう。


「酒神終理……」


 ボソっとそうつぶやくと、


「おお、オイちゃんの名前を憶えているとは、なかなかの記憶力でちゅね、才藤零児たん」


「……俺の名前は閃だ。今朝もそう言ったはずだが?」


「ん? ああ、閃壱番たんの方でちたか。いやぁ、どっちも、モブのコピペみたいなもんだから、普通に間違えちゃいまちた、あはは」


「……あんなクソ陰キャと俺を間違えるとは、とんでもない節穴だな。俺の方が、あいつよりもマシだ。間違いなく」


「ハナクソが目クソを笑っちゃダメでちゅよ」


「別にダメなこともねぇと思うが、そんなことはともかく、一つだけハッキリと言っておく。俺が目クソで、あいつがハナクソだ」


「……でも、あっちの方が頭よさそうでちたよ?」


「ふふん、青いな。こう見えて、俺は、成績が非常にいい。……あれ? 俺、成績はそこそこだったよな? あれ? 平均点しか取れていないんだっけ? ……だいぶ長いこと、学校のテストとか受けてねぇから、ちょっと忘れた……あれ? 俺、国語と英語と社会は、そこそこ点が取れていたような……数学は死んでいたけど……いや、でも学校のテストぐらいだったら、つねに80~90点はとっていたような……あれ、違う? あれぇ?」


 自分の記憶に自信が持てないセンに、

 終理は、


「えっと……センたんの入試結果は『中の中』で、レイたんの入試結果は『中の上』でちゅね。というわけで、やっぱり、センたんの方がハナクソでちゅね」


「……なんで、俺らの入試結果とか知ってんの?」


「成績を管理しているシステムに忍び込んで盗み見しまちた」


「……当たり前のように、イカれたことを……」


 そうつぶやいてから、センは、ゴホンとセキをして、


「つぅか、そんなことより……あんた、なんで、ここにいる?」


「なんでって、そりゃ、サヴァーテを倒したからでちゅけど?」


「……銃崎センパイは『まだ倒せていない』と言っていたはずだが? 実際、普通に生きていたし」


「もちろん、彼女たちでは無理でちゅけど、オイちゃんがその気になれば、あの程度のザコを狩るぐらい、単騎でも楽勝でちゅ。オイちゃんの強さはハンパじゃないでちゅからね。あと、サヴァーテはリポップするタイプのボスでちゅ」


「……」


「オイちゃんの強さは、そこらのカスとは次元が違いまちゅ。まあ、とはいえ、センたんと比べたら、オイちゃんの強さなんて、ゴミみたいなものでちゅけどねぇ。センたんは、あまりにも強すぎまちゅ」


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