20話 エンディングだぞ。


 20話 エンディングだぞ。


「大事なものをこの手で殺さないと救えない世界なんざ、終わってしまえばいい。俺がゴミカスだと思われるのはどうでもいいが、あいつらの死は流石に許容できねぇ」


 自分の中の哲学を示したセン。


 そんなセンに、ヨグシャドーは、


(めんどうくさい男だ……)


 心底ダルそうに、そうつぶやいた。


「どうすればいい……あと1・5倍嫌われるには……どうすればいい……」


 センは必死になって考えた。

 ヨグシャドーが言ったように、

 方法はないこともない。


 黒木を殺せば、ヘイトは一気に高まるだろう。

 K5以外でも……たとえば、紅院の父である『紅院正義』を殺すだけでも、それなりにヘイトは高まるはず。


 ほかにも、テキトーに、そこらの歩行者に襲い掛かり、

 足を切断したり、目をつぶしたりして、

 その上で、高笑いでも決めて見せれば、

 12000倍まで上昇する可能性はある。


 ――だが、それは出来ない。

 幻影で代用するというのも考えたが、

 すでに、一度、タネを明かしてしまったため、

 同じことをしても、疑われてしまう可能性がある。


 いろいろと、考えたが、

 なかなか、いい手が思い浮かばず、

 そんなこんなをしているうちに、


 ――騒がしい夜がまわってきた。


 センは、彼女たちに自宅待機を命じ、

 一人で、ロイガーとの闘いに挑む。



「……いい夜だ。独りで、静かで、豊かで」



 などと、テンプレを吐きつつ、

 ほんのわずかな自由時間を堪能していると、

 無粋な化け物が召喚された。


 センは、ロイガーが何かを口にするよりも早く、

 サクっと、『ナイフに変形させたバギー』で、

 素ロイガーを細切れにした。


 いつも通り、

 覚醒するロイガーに、


「ロイガーの強さを考えれば、それなりの経験値にはなる。その8000倍……MAXには届かなかったが、しかし、めちゃくちゃ強くなれるのは間違いねぇ……ああ、楽しみだ。どこまで強くなるのかしら、うふふん、っと」


 未来に期待しながら、

 センは、覚醒ロイガーと殺し合った。


 覚醒版のロイガーは、センが強くなればなるほど並行して強くなる。

 いつまでたっても、決して楽はできない相手。


 それでも、積み重ねてきたセンの戦闘力が後れを取ることはなく、


「ふんだらばっっしゃい!」


 気合いの入った延髄蹴りが、ロイガーの脳を揺らす。

 そのスキをついて、


「百華・神速閃拳!!」


 嵐のような連打で、

 ロイガーの全てを破壊する。


「はい、勝ちぃ! 俺、強すぎぃ!」


 と、軽く調子に乗るセン。

 その間に、殺されたロイガーの死体は粒子となり、

 均等に、バギーと図虚空に注がれる。


 『覚醒ロイガー×8000倍』の経験値が注がれた結果、

 センの携帯ドラゴンは、


000000000000000000000000000000000000000


 登録名 『バギー(仮)』

 型番  『IS=GPQC/タイプE10‐PT198』


 《強化値》    【1%】

 《容量》     【10】


 [HP]     【1%】

 [MP]     【1%】


 「攻撃力」    【1%】

 「魔法攻撃力」  【1%】

 「防御力」    【1%】

 「魔法防御力」  【1%】

 「敏捷性」    【1%】

 「耐性値」    【1%】


 所有スキル、なし。


 111111111111111111111111111111111111111


 ↓


000000000000000000000000000000000000000


 登録名 『バギー(仮)』

 型番  『IS=GPQC/タイプE10‐PT198』


 《強化値》    【5089%】

 《容量》     【780000】


 [HP]     【23000%】

 [MP]     【9000%】


 「攻撃力」    【78000%】

 「魔法攻撃力」  【25000%】

 「防御力」    【53000%】

 「魔法防御力」  【9500%】

 「敏捷性」    【62000%】

 「耐性値」    【39000%】


 所有スキル、なし。


 111111111111111111111111111111111111111


 強大な数字へと膨れ上がった。

 圧倒的な力を手に入れたセンは、


「ははははぁっ! 本当の俺デビューッッ! やっとたどり着いたぜ! 俺こそが最強! エンディングだぞ、泣けよぉおお!」


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