93話 詰んだぁぁあああ!!


 93話 詰んだぁぁあああ!!


(究極超神化7を使うことで、どうにか、容量は確保できた。問題は、ここから、プライマルプラチナに目覚めることなんやけど……)


(どうした? 何か問題でもあるのか?)


(安定して稼働させるためにはもう一つ、プラチナスペシャルがいる……けど、それも入れるとなると容量が足りん……つぅか、それに関しては、誰も適正がない……)


(何が足りない? どうしてもというなら、俺が気合いでカバーしてやる。俺なら出来る気がする。知らんけど)


(無責任がえぐいな)


 ダルそうにそうつぶやいてから、


(簡単に言えば、集中力が足りん。安定させるためには、ただの集中力やなく、極限を超えた爆裂な集中力が、必須で――)


(詰んだぁ!)


(……そんなに、己の集中力に自信がないんか?)


(俺は脳死で作業ゲーすること以外、基本できない! 根性と集中力は似ているようで全くの別物! 詰んだぁ!)


(簡単にサレンダーすな。まだ可能性は残っとる)


(さすが、トウシ! 信じていたぞ、トウシ! あんたが大将!)


(……情緒、どないなってんねん)


 センのウザさに対し、普通にイライラしてきたトウシは、

 どうにか、深呼吸で己を落ち着かせながら、


(必要なプラチナスペシャルは『シャットアウト・ゾーン』。簡単に言えば、とんでもなく深いゾーンに入れるスペシャル。重要なのは、こいつを組み込むことそのものやなく、こいつをうまく扱える資質の方。残念ながら、ワシもソンキーもお前も、こいつをうまく扱うことはできん。ウチの親戚に、一人、いけそうなヤツがおるんやけど……)


(よし。じゃあ、そいつを召喚しよう。もし、ガタガタぬかすようなら、俺が、そいつのケツの穴に腕突っ込んで、奥歯ごとガタガタいわせてやらぁ!)


(無理。アクセスできん)


(そこをどうにかするのが、君の役目じゃないのかね!!)


(無理なもんは無理や。コスモゾーンの全区画に侵入できれば、あるいは、方法も見つかるかもしれんけど、それを為すには、最低でも1万年は欲しい。これまでのように表面をさらうだけやなく、ほんまの深部もあらわないかんからのう)


 100点と99点の違いみたいなもの。

 100点を目指す場合、99点を取るために必要な努力の数倍から数十倍を必要とする。

 1点の違いと甘く見てはいけない。

 『0を1にする』よりはマシだが、

 『99点を100点』にするのも、相当な労力が必要。


(よし。じゃあ、ソウルゲートを召喚しよう。そうすれば、1万年どころか、5億年でも、200億年でも、好きなだけ時間を使うことができるぞ。やったね、トウシちゃん。家族が増えるよ)


(いや、仮に、召喚に成功できたとしても、親戚を呼ぶだけやから、家族が増えるわけやないなぁ)


 ダルそうに『返し』を挟んでから、


(ソウルゲートに関しても、相当な規制がかかっとるからなぁ……こっちをどうにかするのにも普通に莫大な時間がかかりそうや。100年ぐらいは……まあ、ほしいかなぁ)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る