57話 解放されていく。


 57話 解放されていく。



「足りねぇええええ! こんなザコじゃ、もはや、俺は満たされねぇええええ!」



 叫びながら、

 センは、オメガヘルズ覇鬼の魂魄を貪りくらう。


「もっと、もっと、もっとぉおお!」


 駄々っ子のように、

 『おかわり』を要求するセンに、

 オメガシャドーは、

 子供の世話をする親のように、

 甲斐甲斐しく、



「了解だ、センエース! もっといこう! 止まっちゃいけない! 停滞は無粋! 無限のかなたへ、さあ、いくぞ!」



 次に召喚されたのは、



「さあ、どんどんセンエースの糧となれ!! オメガエターナルコール・ドラウグル!!」



 不死種の『王級』モンスター。

 王級のモンスターは、異次元の強さを持つ化け物。

 ただでさえ凶悪なモンスターだが、

 オメガ化することで、さらに、エゲつない怪物となっている。



 ――そのオメガレベルは、なんと、1900。



 『ゼノリカの天上に属する者』でも、

 『特定条件を満たしている者』でなければ、

 まったくもって歯が立たないという、とてつもない強さ。


 常時、『一定以上のダメージを大幅カットするタイプのドリームオーラ』を張っており、『オメガレベル500級のバケモノを一撃で殺せる数値以下のダメージ』を99%カットするという、とんでもないスペック。


 上位の不死種は、耐性・耐久に定評があるウザモンスターなのだが、

 その中でも、エターナルコール・ドラウグルは、

 特に、『耐久』に特化した忍耐型モンスター。


 火力はゴミだが、デバフと耐久で狡猾に押していくスタイル。

 『どくどく型きせきラ〇キー』をイメージしていただければ、

 エターナルコール・ドラウグルのウザさが具体的にご理解いただけると思う。


 そんなエターナルコール・ドラウグルが、

 オメガ化することで得たものは、さらなるウザさ。


 『知性』が大幅に削られることになったが、

 そのことがアリア・ギアスとなり、

 『忍耐型』としてのスペックが大きく向上した。


 間違いなく、極悪なモンスター。

 そんなオメガエターナルコール・ドラウグルを、

 センは、


「ちょっと硬いな! しかし、それがどうした?!」


 踏み込み足に力を込めて、

 ブンまわした拳を、

 オメガエターナルコール・ドラウグルの顔面に、



「死華閃拳っっ!!」


 たたきこんでいく。

 ゲニャリと、死が歪む音が、確かに聞こえた。


 耐久力特化の不死種を、

 ワンパンで沈めていくセン。


 そのままの勢いで、

 オメガエターナルコール・ドラウグルの魂魄を奪い取り、

 丸のみで喉の奥へと流し込む。



 000000000000000000000000000



 《レベル》     【1】

 《オメガレベル》  【1205】


 [HP]      【75000/75000】

 [MP]      【21000/21000】

 [スタミナ]    【609/653】


 「攻撃力」       【1899】

 「魔法攻撃力」     【889】

 「防御力」       【1050】

 「魔法防御力」     【773】

 「敏捷性」       【1090】

 「耐性値」       【598】

 「HP再生力」     【1732】

 「魔力回復力」     【2005】

 「スタミナ回復速度」  【330】

 「反応速度」      【?】


 「隠しパラメータ合計値」【?】


 「獲得経験値」     【0】

 「ネクストEXP」   【無限】



 11111111111111111111111111111



「はっはぁあああああ! 研ぎ澄まされていくぅううう! 脳汁がおわらねぇ! 血潮の渦がまく! 解放されていくぅうううう!」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る