81話 『センエース』VS『カンツ・ソーヨーシ』
81話 『センエース』VS『カンツ・ソーヨーシ』
「驚くべきことに、まったく見えねぇ! カンツ、お前は強い!」
「お褒めにあずかり光栄だなぁ! がはははははは!!」
豪快に笑いながら、
カンツは、両手にバズーカを召喚し、
爆音をとどろかせながら乱射する。
魔力のコーティングを受けたロケット弾が、
正確かつ獰猛に、センを死滅させようと襲い掛かってくる。
センは、あえて、よけずに、
両手で、ロケット弾を受け止めてみせた。
センの手に着弾すると同時、
カッと、目を焼き尽くすほどの光を放って大爆発。
その豪快な爆発は、一回や二回ではなく、
何度も、何度も、センの体を包み込む。
100発以上のロケット弾をぶち込んだところで、
「……ふぅ」
カンツは、両手に持っているバズーカを下ろして、
センの状態をうかがった。
『やったか……?』などと、死亡フラグを積んだりはしない。
積んだりはしていないが、しかし、だからと言って、センが倒されているかと言えば、また、全く別の話のわけで……
「なかなかの火力だ。タンクのくせに、アタッカーとしても超優秀。お前は、本当にクオリティが高いな、カンツ・ソーヨーシ」
「がはは! 貴様ほどの化け物に、そう思ってもらえるとは、なかなか光栄だ! 頑張ってきた甲斐があった!」
「ああ、頑張ってきたんだろうぜ。お前は頑張ってきた。けどなぁ――」
そこで、センは、さらに出力をあげて、
カンツの背後に回り込むと、
後ろから、カンツの心臓を奪い取る。
「がはぁああ!!」
「カンツ、理解しろ。てめぇが積んできた全部をゴミクズにしてしまうぐらい、俺は強い。だから、お前は死んだ。簡単な話だろ?」
「……ぐふっ……がははは!」
血を吐きながら、
しかし、カンツは、ニィと力強く笑って、
「誰が死んだって?」
そう言いながら、
自分の胸部を貫いているセンの腕を掴み、
「この程度で死ぬようなら、ワシは、とっくの昔に、どこかで死んでいた」
そう言い切ると、
カンツは、周囲に、無数の『浮遊する銃器』を召喚し、
「がはは! ワシの無敵ぶりをなめるなよ、クソガキぃ!」
カンツの覚悟に呼応するように、
浮遊する銃器たちは、いっせいに、莫大なオーラを練りあげる。
その様子を見て、
センは、
「自分もろとも、俺を撃ちぬこうって? 悪くない考え方だが、しかし、このまま撃ったら、さすがに、死ぬぞ。お前。――俺は、まだ死なないと思うが」
その発言に、
カンツは、
「がははははは!」
バカにするように大声で笑ってから、
迷わず、
「――一斉掃射――」
命令を下すと、浮遊する銃器たちが一斉に輝きを放つ。
コンマ数秒のタメを経て、溜めたエネルギーを、迷わず全放出。
豪快な爆音に包まれるセンとカンツ。
そこらの上位モンスターなら、跡形もなく爆散するであろう、
圧倒的なエネルギー総量。
けれど、
センは、当然のように、
「……ごほっ、ごほっ……煙が、しんどい」
無傷ではないものの、
しかし、ほとんどダメージを受けていない様子で、
爆煙を両手で払っていた。
その視線の先で、
カンツが、
「がははは! ワシの一斉掃射をモロにくらっておきながら、ほとんどダメージなしか! 震えさせてくれるじゃないか!」
ピンピンした状態で、豪快に笑っていた。
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