5話 無間の地獄へ、さあ行くぞ!


 5話 無間の地獄へ、さあ行くぞ!


「おお、マジか。図虚空と違って、基礎ステそのものに補正がかかる感じか。おまけに、それぞれが固有でもっているパッシブ系のスペシャルスキルも全部のっている……いいねぇ!」


 ちなみに、GOOたちをまとったその姿は、

 ほぼGOOと言っても過言ではないほど禍々しいもので、

 一見するだけでも、一般人のSAN値を削れそうな勢い。



(ふはははは! とんでもない強さになったぞぉお! 究極超神化プラチナムを使えば、ここからさらにステータスを伸ばすことも可能! 特殊条件下で発動するGOOスキルの存在値上昇率もハンパない値! さすがに、ここまでくれば、アウターゴッドが相手でも勝てる気がする!)


 と、心中で調子に乗っているセンに、

 ヨグシャドーが、


(まあ、『最下層レベル』の『第一形態』程度なら、どうにか出来るかもしれないな)


 と、そんなことを言ってきた。


(……最下層の第一……えっと、それは、具体的に言うと、つまり、どういう意味?)


 なんとなく、予想はついたのだが、

 しかし、

 『信じたくない』・『誤解であってほしい』という、

 無意味な希望的観測が、

 センに、その無駄な質問をさせた。


 ヨグシャドーは、たんたんと、センに絶望を与えていく。

 ヨグシャドーは、容赦しない。

 ヨグシャドーに慈悲はない。

 ヨグシャドーに甘えたところで、優しさは返ってこない。

 ――絶対に。


(たいていのアウターゴッドは、貴様の『究極超神化プラチナム』のような変身技・覚醒技を持っている。『その手の技』を使う前段階、ウォーミングアップの『第一形態』であれば、今の貴様が全力を尽くすことで、『アウターゴッドの中』の『恥さらし級』までぐらいなら、どうにかできる可能性もゼロではない)


(……)


(ちなみに言っておくと、『私の本体』は最低でも7回は変身できる。前に説明した『究極超神化7』のような、一般的なアウターゴッドがたどり着ける限界を、超えて、超えて、超えて、超えて、超えた変身が可能。言うまでもないが、今の貴様が、どれだけ頑張ったところで、『私の本体』が相手だと、吐息で殺される。ちなみに、7回というのは底値の数値。ネタバレを回避するための数字でしかない。もしかしたら、変身できる回数は10回かもしれないし、100回かもしれない)


(あのさぁ……お前の本体、ちょっとエグすぎん? もう、メチャクチャすぎるんだよ。いい加減にしてくれ)


(私の本体程度でおののいていては、話にならないぞ。この世には、もっと恐ろしい化け物も存在する)


(この世、どうなってんだよ。バグりすぎだろ)


(その『もっと恐ろしいバケモノ』は、私の本体の数百倍の力を持っている)


(だから、いい加減にしてくださりませよ。ドラゴン〇ールAFでも、そこまでのインフレはしていませんでしたことよ)


 遠い目で、そうつぶやくセンに、

 ヨグシャドーは、


(貴様は、いずれ、その恐ろしい化け物に立ち向かわなければいけない)


(人の運命、勝手に決めないでくれる? 俺にそこまでの器はねぇよ)


(さらには、その先へも行かなければいけない……そんな気がする)


(気がするだけかい! 俺の時間と心配を、返せよ!)


(さらには、もっと先へ――)


(無限地獄はもういい!)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る