61話 『S級GOOクルルー』VS『究極超凡人セン』

 61話 『S級GOOクルルー』VS『究極超凡人セン』


「……悪いな、ジーサン。あんたの死体……使わせてもらうぜ」


 そうつぶやきながら、

 召喚の儀式を実行する。


 すると、

 正義の体が世界に溶けていき、

 先ほど、床に彫り込んだジオメトリがカっと光った。


 そして、召喚される。

 タコの頭をした屈強な化け物。


 S級GOO『クルルー』は、


「……私を呼んだのは、貴様か」


 と、威厳たっぷりの口調で、重々しく、


「なぜ、私を呼んだ?」


 そう問いかけてきた。


 センは、そんなクルルーに、


「経験値がほしかったから。まる」


「…………はぁ?」


「俺から呼び出しておいてなんだが……お前ごときと、ゆっくり遊んでいる時間はない。俺はヒマじゃないんだ。というわけで……」


 そこで、センは、図虚空のトリガーを引いて、

 精神的負荷を上げていき、


「いくぞ、クルルー。サクっと、殺してやる」


 そう宣言すると同時に飛び出した。


 瞬間移動にメリハリをつけて、

 軽やかに残像を残しながら、

 センは空間を駆け抜けていく。


「むっ……き、貴様、人間ではないのか……なんだ、その過剰な強さ……っ」


「たぶん、人間だと思うんだが、最近、いろいろあって、ちょっと自信がなくなっているところだ!」


 などと応えつつ、

 センは、冷静かつ的確に、

 クルルーの生命力を削っていく。


 最初は、イグ同様、一撃で中心を削り取ろうと思ったのだが、


(S級って称号は伊達じゃねぇな……強ぇ、強ぇ……)


 とてもじゃないが、サクっと一撃とはいかなかった。


(ウムルよりちょい下ってところかな……)


 仮にS級GOOの点数をつけるとすると、

 『イグ』 『1点』

 『ウムル』『20点』

 『蓮手』 『50点』

 ――といったところ。


 ※ この数字は、あくまでも、『セン』の『独断・偏見・主観全開』な、ひどくザックリとしたもので、まったくもって正確性は皆無。


 その点数にあてはめた場合のクルルーは、


(……アマく見て18点、カラく見て12点……ってところか……)


 ちなみに、言っておくと、『イグ』は、決して、弱いS級ではなかった。

 間違いなく下位の方にいるため、『比較的弱い』のは事実だが、

 しかし、『1点をつけられてしまう』ような『恥さらし』級ではない。

 単純に、ビルドが『特殊支援型』寄りで、

 前線型と比べたら生命力が低く、

 センとの属性相性的にも、あまりよろしくなかったため、

 『センからすれば楽勝だった』――というだけの話。


 ――つまり、単純な存在値の数字で言えば、

 イグとクルルーの間に、そこまで莫大な開きがあるわけではない。


 実際にランク付けしようとした場合、

 仮に、ポケ〇ンで例えると、

 イグ   『ツ〇ツボ』、

 クルルー 『ナ〇シー』、

 といったところ。


 ――と、そこで、イグが、


「……貴様の私に対する殺意……それは、憤怒や怨恨ではないな。どこか、義務感のような気配を感じる」


「正解だ、クルルー。俺は、てめぇになんの怨みもねぇ。ただ、お前を殺した経験値で、自分の武器をパワーアップさせたいだけ。凄まじく自己中心的な理由で、俺はお前を殺そうとしている」

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