31話 収穫祭は留まることを知らず。


 31話 収穫祭は留まることを知らず。


「あたしは、まあまあオモロかったで?」


「やめて! 気を使わないで! それが一番キツいから!」


「いやいや、ほんまに。ええボケやったなぁって、感心しとるよ。あんたのコトが、エグい程に可哀そうやから気を使っとるとか、そんなんやなくて、普通に、ああ、おもろいなぁって思った。コクとキレがあった。うん」


「本当にやめようか、薬宮! マジで! その配慮の仕方、ほんと、キツいから! お前の、無駄に膨大な優しさは、状況によって、とんでもない兵器だから!」


 と、そこで、ソっと近くまで寄ってきていた黒木も、

 センの肩にポンと手をおいて、


「地獄かってくらい、ドンズベりしましたね。ドンマイです」


「いや、んー、まあ、薬宮の対応よりはマシなんだけど……なんていうか、その……そういう『実は一歩踏み込んだ配慮をされている』というのも、普通に、状況としてはしんどいものがあるな」


「ワガママな人ですね。では、どうするのがベストだというのですか?」


「放っておいてくれりゃいいんだよ。俺の問題は、基本、それで解決する」


「旦那が苦しんでいる時、手を差し伸べるのが妻の仕事です」


「可能であるならば、ぜひ、『黙ってみなかったことにする』ってのも、仕事の一つに加えていただけませんかね?」


 方向性が微妙に異なる『やっかいな彼女たち』に振り回される生活。

 その鬱陶しさに対して、センは、心から『ウザったさ』を感じているものの、

 しかし、どこかで、その『ウザさ』にいくばくかの心地よさを感じているのも、

 また事実だったりする。


(その事実こそが、何よりも厄介だ……)


 なんて、心の中でつぶやきつつも、

 しかし、どうしても、このウザさを捨てきる気にはなれなかった。




 ★




 その後も、センとヒロインズの、まったく先に進まない不毛な攻防は続いた。

 その流れの中で、センは、何度か、腹をくくろうとしたのだが、

 しかし、持前のチキンぶりをいかんなく発揮し、

 結局のところは、最後まで踏み込むことはなく、

 ダラダラと日数だけが進んでいく。


 もちろん、夜のアイテム探索は続けており、

 大量のレアアイテムを山ほど入手していた。


(対人関係においては地獄極まりないが、アイテムに関してだけは、完全に、ボーナスステージって感じだな)


 今回の周で、センは、ハンパなく強化された。

 ボロボロと手に入るレアアイテムのおかげで、

 際限なく強化され続けるセン。


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 ・センエース眷属装備&究極超神化プラチナム使用時。


 《レベル》     【1】

 《オメガレベル》  【639】


 [HP]      【153億/153億】

 [MP]      【18億/18億】

 [スタミナ]    【25万/25万】


 「攻撃力」       【52億】

 「魔法攻撃力」     【38億】

 「防御力」       【120億】

 「魔法防御力」     【98億】

 「敏捷性」       【3200億】

 「耐性値」       【3億】

 「HP再生力」     【78億】

 「魔力回復力」     【9億】

 「スタミナ回復速度」  【6900万】

 「反応速度」      【?】


 「隠しパラメータ合計値」【?】


 「獲得経験値」     【0】

 「ネクストEXP」   【無限】



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「まさか、ここまで爆発的に強くなれるとは思っていなかった。収穫祭、ここに極まれり。さすがに、もう、アウターゴッドにも勝てるんじゃね?」

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