42話 シェ〇ロン的な神話生物。
42話 シェ〇ロン的な神話生物。
「……まさか、『ワンパ〇マンの正体』がクラスメイトだったとは……マジで驚きにゃ」
「俺も、クラスメイトに『ボマーが混じっていた』と認知した時は驚かされたよ」
などと、いったん、言葉のジャブをかわしあってから、
茶柱は、
「それで? あんたは、何者なのかにゃ?」
「……」
そこで、センは間をおいてから、
「ウソ無しでいくから、無駄に疑うな」
そう前をはさんだ上で、
スゥと息を吸って、
「俺は、2日後の『5月20日』からタイムリープしてきた。前回のルートで、たまたま強大なマジックアイテムを手に入れた俺は、上位のGOOを狩ることも可能。正直、俺一人だけでも、神話生物の対応は可能。しかし、俺一人に丸投げされるのはウザってぇ。だから、昨日はお前らを助けた。お前らだけでも、C級までならどうにかできる。ゴミ処理要員として今後も頑張れ。以上。質問は?」
「タイムリープねぇ……ほむほむ……」
と、反芻しつつ、茶柱は、
「……わざわざ仮面をかぶってまで、正体を隠した理由は?」
「お前は、俺にリーダー役を押し付けたりしないだろうが、薬宮トコや紅院美麗は違う。切羽詰まっているあいつらは、俺の正体を知れば、俺に依存してくるだろう。気持ちは分かるが、ウザすぎる。だから、正体を隠した」
「……ツミカさんほどじゃないけど、あの二人だって、そこそこの美少女だにゃ。あの二人に依存されるなんて、男からしたら夢みたいな話……なのに、そこまで本気で拒絶するってことは……もしかして、ゲイなのかにゃ?」
「男と性行為をしたいと思ったことはねぇよ。俺の染色体に不具合はない……たぶんな」
やんわりとした完全否定をはさみつつ、
「質問は以上か? だったら、帰りたいんだが?」
「最後の質問。どうして、本当のことを教えようと思ったのかにゃ?」
「……逆に聞くが、どうして、俺の言葉が本当だと思った? かなり、荒唐無稽な内容だったと思うが」
「なんとなく」
「……常時、一貫して、話にならない女だな、お前は……」
ため息をついてから、
「まあいいや。信じてくれたのなら、話は早い。ここからが本番だ」
そこで、センは、茶柱の目を睨み、
「お前の質問に、俺は正面から答えた。今度はお前の番だ。どうやって、俺の番号を入手した?」
「んー……」
茶柱は、数秒悩んでから、
「……ま、いっか」
とつぶやいてから、
「願いを叶えてくれる神話生物を召喚して、教えてもらったにゃ。対価は寿命の半分」
「……願いを叶えてくれる……か。便利だな。しかし、対価が重すぎる。電話番号一つに、寿命半分って」
「そこは、気持ちの持ちようだと思うけどにゃぁ。切羽詰まり散らかしている今のトコてぃんなら、ノゾ=キマの情報には、『寿命の八割』でも、喜んで払いそうな気がするにゃ」
「……ふむ。まあ、その点に関しては完全否定できないが……ちなみに、その『願いを叶えてくれる神話生物を云々』という話はマジか?」
「信じるか信じないかは、あなたしだいにゃ」
(……願いを叶えてくれる……っていうのがガチだとしたら、俺の電話番号だけを入手するってのは、だいぶおかしな話……もし、真実だったとしても、おそらくは、『猿の手』的な、『ハンパにしか願いを叶えてくれない』系のアレだろう……)
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