6話 『K5(聞く耳もたない五人組)』の『頭おかしい』担当、茶柱罪華。
6話 『K5(聞く耳もたない五人組)』の『頭おかしい』担当、茶柱罪華。
「お前の頭、どうなってんだ!」
「ツミカさんは『シャレたジョーク』を飛ばすことも多いけど、『基本的にマジだ』ということを、伝えたかっただけだにゃ」
「……」
「さ、そろそろ、ついてきてほしいにゃ。ちなみに、スイッチはもう一個あるから、気を抜かない方がいいと思うにゃぁ。はたして、2個目の爆弾は、どこに設置されているのかにゃぁ。保育所かにゃぁ、それとも、小児病院かにゃぁ」
(……こんなヤツを夢に見た自分を全力で殴りたい……)
センは、心の中でそう呟きながら、
サイレンのBGMが鳴り響く中、
茶柱のあとについていった。
★
連れてこられた喫茶店は、
清潔感があって、開放的な、
情緒ある、落ち着いた店だった。
席に案内してくれた店長は、品があって、
雰囲気のあるダンディな60代後半のおっさんだった。
店長は、コーヒーを出すと、そのまま奥へと消えていく。
茶柱は、
コーヒーを一口、喉に流してから、
「それで? ツミカさんに話って? ツミカさんは忙しい人だから、手短にお願いするにゃ」
「……」
「なんで、そんな渋い顔をしているのかにゃ?」
「いや……『これまで、ずっと、お前の相手をしてきたんだろうなぁ』と考えたら、どうしようもなく、薬宮のことが、不憫に思えてきてな……」
そうつぶやきつつ、
グビっと、コーヒーを飲んでから、
「用件があるなら聞くから、そろそろマジで、話を進めないか?」
センの提案に対し、
茶柱は、
「しょうがないにゃぁ」
などと、うそぶきつつ、
「とりあえず、聞きたいことが一つあるにゃ」
「なんだ?」
「恋人はいるかにゃ?」
「……ん?」
「センセーは、今、付き合っている人はいるのかにゃ?」
「……何で、そんなこと……」
「またまたぁ、そんな『異世界に転生した人』みたいに、スットボケなくてもぉ」
「言ったか? 俺、『また何かやっちゃいました?』とか言ったか?」
「似たようなもんだにゃぁ。『あれだけ』のことをしておいて『それを近くで見ていた女』が『どう思うか』ぐらい、普通に考えたら、予想がついてしかるべきにゃぁ」
「……」
「というわけで、センセー、ツミカさんは、センセーに恋をしてしまったので、これから、ツミカさんとセンセーの間では、清き交際がスタートします。いぇい!」
「あの……あまりにも展開が怒涛すぎて、ついていけてないんだが……」
「気にする必要はないにゃ。全部、こっちに任せておけば、あとは、全部、いいようになっていくにゃ」
「いや、おそらく、悪い方向にしか行かないと思う。俺は別に勘がいいわけじゃないが、この予想だけは、間違いないと思う」
「というわけで、さっそく、今日の夜、デートにいくにゃ。いやぁ、楽しみだにゃぁ」
「K5ってのは、もしかして、あれか? 『聞く耳もたない5人組』って意味なのか?」
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