12話 茶柱罪華との向き合い方。

 12話 茶柱罪華との向き合い方。


「ね、ね、センセー、どうなの、センセー」


「しょうがないなぁ。そこまで求められちゃ、断るわけにもいくまい。さあ、茶柱。そこになおれ。まっすぐ立って、気を付けしたまえ。今から、お前の体を使って、すべての必殺技を余すことなく試してやるから、全て、よけずに受け止めろよ」


「ツミカさんの体を使って、好き放題って……きゃああ! けだもの!」


「……好き放題とは言ってないんですよねぇ」


「やっぱり、ツミカさんの体が目当てだったんだにゃ!」


 しんどくなってきたセンは、


「おう、もうそれでいい! 俺は、お前の体をムチャクチャにするため、今日は、ここまで、はるばる、ホイホイやってきたんだ! これで満足か?!」


 そこで、茶柱は、ポケットから、ボイスレコーダーを取り出して、

 ポチっとスイッチを押す。

 すると、


『俺は、お前の体をムチャクチャにするため、今日は、ここまで、はるばる、ホイホイやってきたんだ!』


 センの声が、響き渡る。


 青い顔をしているセンのトイメンで、

 茶柱は、ワナワナと震えながら、


「と、とんでもない証拠をゲットしてしまったにゃ……」


「うぉおいっ!!」


 たまらず怒声をあげるセンに、

 茶柱は、


「ネットに……ネットにアップしなきゃ(使命感)」


 いつものセンなら、

 『やれるもんなら、やってみろ』とすごんでみせるところだが、

 しかし、センは、すでに、茶柱罪華の異常性を理解しているため、



「さすがに……それは、勘弁していただきたく存じます……罪華お嬢様……」



 歯を食いしばりながら、

 体を震わせながら、

 ド直球で頭を下げるセン。


 相手が『まとも』なら、センも、

 『センなり』の『まともな方法』で挑むのだが、

 相手が『極端に異常』な場合、

 さすがのセンも『自分』を通すのが難しい。


(こいつが相手の場合、向かい合ってもダメだ……かといって、テキトーな言葉で、ケムにまくことも難しい……)


 変態性で言えば『常識の向こう側』にいるセン。

 しかし、茶柱罪華は、そんなセンを置き去りにしている。


(どうする……こいつとの『正しい向き合い方』はどれだ……見えてこない……どうするのがベスト……いや、もう、『ベスト』だなんて、そんな贅沢は言わないから、せめて、『ベター』な接し方を理解したい……)


 などと考えているセンに、

 茶柱は、


「どうしよっかにゃぁ……この音声をネットにアップしないのは、ツミカさんの信条に反するしなぁ……んー、んー……あー、そういえば、足が凝ったにゃぁ。誰か、ナメてくれる人はいないかなぁ」


 などと言いつつ、メギドをビデオカメラ化させて、

 しっかりと撮影準備をする。


「これ以上、証拠を増やして、どうしたいんだっ!」


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