41話 回収。


 41話 回収。


「さてと……詳細は知らんけど、どうせ、あいつをぶっ殺すってのが、元の世界に戻るための『条件』だろうから……サクっと殺すか……この20年で、俺は、えげつないほど強くなれた。もはや、俺に敵はいない。俺がガ〇ダムだ」


 ニィと、自信満々の笑みを浮かべるセン。


 そんなセンに、ソルは、


「……」


「……ずいぶんと、自信満々だな、センエース」


「ん? なんだ、この世界のお前は、俺を知っているパターンなのか?」


「アーカイブで確認させてもらった。『私自身』は、君を『経験』していないが、君が、クズニート世界の『私を殺した』という事実は知っている」


「ちょっと何言っているかわかんないが、とにもかくにも、俺を知っているのなら話ははやい。俺は、前の世界で一度、お前を殺しているが、あの時よりも、俺は、さらに強くなった。てめぇごときが、俺に勝てるとは思えねぇ。というか、今の俺に、勝てるヤツは一人もいねぇ」


 調子に乗っていくスタイルのセンに、

 ソルは、


「……クズニートの世界で使っていたソルは、ゴミみたいな分体だ。あんなカスを殺せた程度で調子に乗ってはいけない。本当の私は、もっと遥かに大きい」


「ほう。言うじゃないか。では、見せてもらおうか。本当のお前の性能とやらを」


 そう言いながら、トントンと片足ジャンプ。

 クイクイと、手招きで余裕を見せるセン。


 グリムとの長い闘いの中で、

 センは、自分の真価を知った。


 磨き続けてきた武は花開き、

 遥かなる高みに至った。



 真なる究極超神化7を纏い舞う神を相手に、

 センは、ついに、勝利を収めた。


 その達成経験と裏打ちされた自信が、

 センの体に、さらなる軽さを与える。



「俺の強さは、真理に至った。お前に、それを見せてやるよ」



 とことんまで調子にのったセンは、

 その自信の根拠を魅せつけようと、

 拳にオーラと魔力を込めて、


 ソルに向かってなぐりかかった。

 原始的な一手だが、

 しかし、結局のところは、これが一番分かりやすい。


 分かりやすいのは正義だ。

 まあ、正義など、相対的な視点の差異でしかないが、

 などと、心の中で、ファントムな戯言をほざきながら、


「閃拳」


 愚直に磨き続けてきた拳で、

 ソルの首を刈り取ろうとした――


 ――その結果、






「――降参っっっっっ、こうさぁああああんっ!」






 まず、綺麗にカウンターをいれられた。

 その一撃だけで、頭が、めちゃめちゃクラクラして、

 何が何だか分からないまま、

 追撃の猛連打をたたきつけられて、

 センの頭は、一瞬、真っ白になった。


 クラクラして、真っ白になって、

 そこで、ようやく、センは理解した。


 『あ、勝てんな』


 という真理を解したセンは、

 当たり前のように、

 『降参』を連呼することと相成った。



「ごめんなさい! 調子に乗りました!」



 必死になって、自分の非を認めるセン。


 そんなセンの情けない背中に、

 才藤は、ジト目を向けて、


「あれだけ、カッコつけておいて、そのザマか」


「うるせぇ! 想定外だったんだよ! あいつ、普通に『無敵バリア』を使っている上に、いろいろ、はやくて、鋭いぞ! あんなもん勝てるか! あいつが異常なだけ! 俺は悪くない!」


「……一瞬、ヒーローがかけつけてくれたのかと、期待したが……ただのカスだったか……」


「俺にヒーローを期待しても無駄だ。俺はヒーローじゃない」


「そのようだな……」


「というか、ヒーローは、お前だろ?」


 そう言いながら、

 センは、一枚の護符を、才藤に押し付ける。


 護符を受け取った才藤は、


「……これは……?」


「グリムに勝った時にドロップしたアイテム。効果は知らんけど、お前専用のアイテムだと聞いている」

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