40話 カイザーウイングケルベロスを装備するセンエース。


 40話 カイザーウイングケルベロスを装備するセンエース。


「今後、お前は、俺の力の一部。共に、死ぬ気で地獄にあらがってもらう。記念すべき最初の闘いは、あの女神との死闘だ」


「い、いやだ……勝てるわけがない……マイノグーラはアウターゴッドだぞ……」


 カイケルは、子供のように、いやいやと首を横に振りつつ、


「アウターゴッドの中では弱い方だが、しかし、間違いなく本物のアウターゴッドだ。多少、魔力が高いだけの貴様ごときじゃ相手にもならない」


「だろうな。俺もそう思うよ。出来れば、あんな化け物、相手にしたくねぇ」


 そう言ってから、センは、

 マイノグーラに視線を向けて、


「できれば、このまま何もせずに帰ってもらいたいんだけど……どうせ、それは無理なんだろ?」


 そんな切実な問いかけに対し、

 マイノグーラは、すまし顔のまま、

 定型文でも音読しているような感じで、


「契約は絶対。私は、必ず、この星を終わらせる」


 たんたんと、そう言った。


「……契約ねぇ……」


 しんどそうにそうつぶやいてから、

 センは、カイケルに視線を向けて、


「あの女が、誰とどんな契約を交わしたのか。お前、ご存じ?」


「知るわけがない。私は、ただ、マイノグーラに召喚されただけの召喚獣。神の裏事情に関する情報など、何も持ってはいない」


「ちっ、つかえねぇ」


 そう吐き捨ててから、センは、


「……まあいいや。とにもかくにも、あの女神様が退いてくれることはないらしい。だったら、闘うしかないだろう。それしか選択肢がないなら、俺は受け入れるさ。『どうあがいても変えられない運命に固執してがんじがらめになる』よりも、『頑張れば変えられる現実と向き合う』という方がはるかに生産的で合理的だ」


 そんなセンのセリフに対し、

 カイケルは、


「いや、まだ選択肢はある。私を解放しろ。その上で、殺されろ。それで、オールオッケーだ」


 別の選択肢を提示するが、

 しかし、そんな戯言に耳を傾けるほどヒマではないセンは、


「さあ、いくぞ、カイケル。これ以上ない、ジャイアントキリングを求めて」


「いやぁあああ!」


 悲鳴をあげるカイケル。

 だが、センは、そんな悲痛の声に耳を傾けることなく、

 カイケルを装備品化させて身にまとう。


 身にまとったとたん、

 全身に、力が沸き上がってくる。

 一気に、数段階ほど引き上げられる存在値。


 万能感がこみあげてくる。

 全能感でいっぱいになる。


「さすが、存在値500億の装備品だ。出力がだいぶ上がった。GOOのパッシブスペシャルも乗って、なかなかエグい数字になってきた。これまでの自分が虫ケラに思える。――これなら勝てる」


 とつぶやいたセンに、

 マイノグーラは、フッと、鼻で笑い、


「本当に勝てると思っているのか?」


 その嘲笑に対し、


 センは、


「ああ、勝てる。俺は、おそろしく強くなった。――つぅか、お前、ほんとはビビってんだろ? 分かるぜ。今の俺は、お前の半分くらいまでは届いた。圧倒的戦闘力を持つ俺に、ここまで差を詰められたお前に待っている未来は死あるのみ」


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