13話 本気のメッセージ。


 13話 本気のメッセージ。


「だから、性奴隷だっつってんだろ。俺のオモチャになるなら、薬宮トコにかけた呪いは解いてやる。ついでに、今後、時空ヶ丘に召喚される化け物も殺してやるよ。いい条件だろ。歓喜しな」


「……本当に……あなたの命令に従えば、今後、召喚される神格を……殺してくれるのですか?」


 紅院が、下手に出て、そう尋ねると、

 センは不遜な顔つきのまま、


「この世は俺のおもちゃ箱。自分のオモチャを壊されるのは好きじゃねぇ」


「……なら……私を好きにしてくれていい。でも、私だけにしてほしい。私が、全部やるから……一生懸命、がんばるから、だから」


 と、そこで、トコが、紅院の肩を掴んで、


「いや、あんた、なに、暴走してんねん。あたしが、あんた一人に押し付けるワケないやろ。というか、その役目はあたしがやる。呪いをかけられたんは、あたしや」


 そこで、茶柱が、


「ツミカさんは、変態のオモチャになるぐらいだったら死んだ方がましだから、絶対にお断りだにゃ」


 笑顔でサラっとそう言った。

 その発言に対し、トコが、怒りで真っ赤になって、


「そんなもん、こっちも一緒じゃい! けど、状況、考えぇよ! この男の機嫌を損ねたら、今度こそ殺されるんやぞ!」


「別にいいんじゃないかにゃぁ。変態のご機嫌うかがいをしなければ持続できない世界なんて、サクっと終わってしまえばいいと思うにゃ」


「……もう黙っといてくれ。というか、ほな、おどれ、なにしについてきたんや?」


「変態に一言、文句を言ってやりたかっただけだにゃ」


 そこで、茶柱は、一歩前に出て、

 センの目を睨み、


「性奴隷が欲しいと言う割には、あんたから、ゲスな欲情をいっさい感じないにゃ。女の直感を、あまりナメないでもらいたいにゃ。あんたの目は、ツミカさんたちに、性的欲求の解消を求めてはいないにゃ」


(他のやつはともかく、茶柱にだけは生半可な嘘は通じない……)


 センは理解している。

 もう、ずいぶん、長いこと、彼女と付き合っている。

 だから、分かる。

 彼女だけは、そう簡単には騙せない。


(本気でいく……俺の本音で、こいつらのヘイトを稼ぐ……っ)


 腹の中で、気合をいれなおし、


「よくわかったな。お察しの通り、俺は、お前らに興味がない。なぜなら、俺の趣味は、清楚で、おしとやかで、控えめな大和撫子だからだ。てめぇらは、全員、余裕で失格。お前らは、俺の視点でいうと、女じゃねぇ。ただのやべぇ狂人だ」


 紅院を指さして、


「そこの赤髪は、顔面の出来だけはまともだが、性格が最悪だ。ヘドが出る」


 次に、トコを指さし、


「そこの金髪は、ちんちくりんすぎて話にならん。俺にロリコン趣味はねぇ」


 次に、黒木を指さし、


「そこの地味なメガネは、絶でも使ってんのかってぐらい存在感を感じねぇ」


 最後に、茶柱を指さし、


「そこのボンバーマンに至っては論外だ。大和撫子の対義語。屑のキ〇ガイ」


 『本気で思っていること』を駆使して、

 彼女たちの好感度を殺していくセン。


 その後も、ひたすらに、徹底的に、

 センは、彼女たちに嫌われるための全部を積んでいく。

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