6球目 頭の回転が止まらない
俺の前をチーター獣人と野球少女が歩いている。さっきの100メートル走対決の熱気と違い、学校の廊下は寝ているように静まり返っている。
「ホンマのチーターはおとなしいのが多いんやって。うちの母さん、ばあちゃんもそうなんやけど、ナメられたらアカン思うて、凶暴なフリしてたやん」
「へぇー、そうなんですか。めっちゃ勉強なりますね」
「おっ、着いた。ここに
彼女が指さしたのはコンピュータ室だ。パソコン関係の部活なら、頭が良い人に期待できる。
「何で頭ええ人を
「野球では、
彼女が流れ星のウインクをしてくる。俺は「まぁな」とテキトーな返事をしておく。キャッチャーに関しては覚えることが多いので、経験者が望ましいと思うがな。
「それじゃ、失礼しまーす」
俺達がドアを開けても、部員の誰も反応しない。彼らはパソコンに
「
丸メガネの男が手を挙げて言う。
「オー、十段目のコード指定がミスってますね。正しいコードをインプットします」
「あなたが
「イエス、マイネームです。何の御用ですか?」
「ベースボールを一緒にプレイしない?」
東代は
「ウェル、私はアメリカンライフに飽きて、ジャパンにやって来ました。ジャパンの作品に出てくる“アオハル”を体感するためです。このパソコン研究会は
「ベリィベリィインタレスティングよ。口で言ってもわからないと思うから、一緒にボールパークに来てくれる?」
「OK。皆さん、待っててください」
「
全部員に「様」づけで呼ばれるとは、かなりの大物だ。さぞかし凄い実績を積まれたのだろう。もうちょい俺も頭が良ければなぁ……。
(水宮入部まであと7人)
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