113球目 インコースを攻めなきゃ勝てない
今日の対戦相手は、
ズーファイターズの選手は高校生にひけを取らない体格をしており、打球がかなり速い。
先頭打者をショートライナー、2番打者をピッチャーフライに抑えたが、3番・4番に連続ヒットを喰らう。
「タイム、タイム!」
「この場面、三振で切り抜けたいから、
「
「
俺と
5番打者は超能力を発動し、4本の手でバットを持つ。パワーはありそうだが、当たらなきゃ絵に描いた餅だ。
初球のチェンジアップは見逃し。ピクリともしなかったので、狙い球じゃないのだろう。
俺は瞬時にうなずく。
投じたボールはシュート回転して、打者の胸元付近のボール球になってしまう。
カウントは1-1。
チェンジアップは嫌、
今度はキッチリ入った。相手の目は真ん丸になっている。
ラストもインコースのストレートでいく。
「ストラックバッターアウト!」
高校生の強気のピッチングは、中学生のバットを沈黙させるのだ。
※※※
その後、俺がズーファイターズ打線を7回まで0点に抑えた。最終回に2ランホームランを打って、サヨナラ勝ちした。
「勝った、勝ったぁ!」
「
皆が俺をパワー全開の拍手で迎える。
「なんか、優勝したみたいな大騒ぎだな」
「
「
彼女は俺の質問に答えず、手をパンパン叩いて皆に声をかける。
「みんなぁ! 試合後の整列するよー!」
彼女の中学時代は黒歴史なのか? まぁ、いずれはわかるだろう。
その時まで、チームがずっと勝ち続けられるよう、俺は精一杯投げるだけだ。
(続く)
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