10球目 君が好きだと叫べない
3人目の入部者・
「お次は誰をゲットするつもりだ?」
「今度は野球経験のあるスターを獲りに行くよ」
「ひょっとして、バスケ部の
「あったりー。
急に
「うわー、思い出すだけで寒気するやん。人のことを子猫ちゃん呼ばわりして、無駄にキラキラ光って、カー、気持ち悪ぅ!」
何となく、少女漫画のイケメンキャラが思い浮かんだ。
※※※
体育館の扉を開けば、男子バスケ部員が声を上げて練習している。ボールを受け取れば、数人の敵をかわして、ダンクシュートを決めた部員がいる。その部員の顔は、男性アイドルグループにいそうな爽やかな顔立ちだ。さらに、他の部員より頭一つ出た長身で、細マッチョという
彼は出入り口の俺たちに気づくと、さっきの練習より猛ダッシュで近寄って来る。瞳をハートの形にして、
「おっ! この前の子猫ちゃんじゃないかぁ! 友達のうさちゃんも連れて来たんやね」
案の定、
「あのぉ、
「やだね。一昨年の4月ならともかく、全日本の合宿に呼ばれた僕がバスケ辞めて、野球やるなんてありえへん。そんなことやったら、僕のファンが悲しんじゃうよ」
「逆に、君がバスケ部においでや。僕と一緒に全国行こ?」
「ごめんなさい。あたしは野球一筋なんで」
「ならば、僕の野球部入りか、君の
(水宮入部まであと6人)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます