祝! 2万PV記念おまけストーリー 六甲山牧場高校野球部の休日

※今回は六甲山ろっこうさん牧場高校の野球部の柳内やぎうち雪斗ゆきとの視点です。



 今日は久しぶりのオフなんで、予定をメモ帳に書き込む。


 

 10:00~11:00は書店、11:00~12:00はカフェ、13:20~15:20はカラオケ、16:00~18:20は映画、OK。あとは、この予定を書いたページを破り取って、口の中に放り込んで、あむあむあむ。覚えた!



 それにしても、俺がヤギ化するからといって、やたらメモ帳やノートをプレゼントされるが、再生紙を使ったものはやまてほしいわ。





 まずは、三宮さんのみやの大型デパートに行き、書店で本を探す。本がたくさんあるなー。



「ねぇねぇ❤ 『相撲豚で何が悪い!』の主人公、めちゃかわいいやんねぇ❤ モウたまんなーい!」


「いやいや。オレとしては、もっとマッチョな方が好みや。この『レスリング兄貴』読んでみろや、戸神とがみ。人生観変わるよー」



 BL漫画コーナーで、豊武とよたけ戸神とがみが鼻息荒く話している。関わるとややこしそうなので、目当ての本を見つけたら、次の場所へ行こう。



 ここで、俺は『ゲームセットは聞こえない』の漫画9巻と、『女性教師がマンティコア化したら学校中がモンスターだらけに』の小説(https://kakuyomu.jp/works/1177354054921786938)を購入した。カフェでゆっくり読むか。





 カフェに行けば、必ずサンドイッチとコーヒーを注文する。右手にサンドイッチ、左手に漫画のパーフェクト布陣!



 ここでも、知ってる顔が2人。ニワトリ化した名護屋なごやさんがオムライスを食べ、夢見ゆめみさんが寝ている。野郎2人のカフェもアレやけど、名護屋なごやさんの共食いはドン引きレベル……。さっさとカフェ出て、近くの公園で時を過ごそう。





 公園では、子ども達がボール遊びしている。飼い犬とボール遊びしている人も……、あれって大縞おおしまさんやない?



 犬縞いぬしまさんはダックスフントが野球ボールを取りに行かないので、自ら犬化して口にくわえて戻ってきた。尻尾振って喜んじゃってるよ、何なんあの人?



 よりによって、三宮さんのみやに野球部員集まりすぎやろ。もしかして、カラオケ屋も?





 ビンゴ! カラオケのトイレで、安仁目あにめさんと出会った。彼はアニヲタ達と一緒に来てるらしい。



「良かったら、柳内やぎうちも同じ部屋来るか?」


「いや、すみません。俺、ヒトカラ派なんで」



 ていねいに断ったが、安仁目あにめさん達の部屋が気になる。彼らの部屋をこっそりのぞけば、安仁目あにめさんが甲高い声で女性ヴォーカルの曲を歌っている。低い地声との差がハンパねぇわ。





 ラストは映画。今話題の『ランニング・ウルフガール』を見に行く。俺、ワクワクするぞー。



 劇場からあゆむ監督と孫の灰地はいじが出てきた。ボロ泣きして足取りがおぼつかない祖父を、彼女が支えている。



「あら、柳内やぎうち君。お疲れ様―」


「お疲れ様っス。何の映画見てたん?」


「ミニモンの映画。結構、面白かったよー」



 ミニモンは小さいモンスター達がバトルするゲーム・アニメだ。最近はスマホアプリのミニモン・ウォーカーのおかげで、老若男女ろうにゃくなんにょの人気が高い。



「ミニモンはええぞー! 柳内やぎうちも見ろっ!」


「はっ。はい」



 監督が半狂乱はんきょうらんになってまでオススメするミニモン、めっちゃ気になってきた。





 2時間後、『ランニング・ウルフガール』は良かったが、涙が出るほどではない。やっぱ『ミニモン』を見ないと。母に電話するで。



「あっ。もしもし母ちゃん。うん。ちょっと、気になる映画あって。10時ぐらいに帰るわ」



 予定を変更。2本目の映画見るぞー。休日のラストにふさわしい映画やったええな。

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