407球目 引導を渡すのは君じゃない
「セーフ、セーフ!」
「なっ!」
「同点! 歓喜!」
ベンチを見れば、皆が喜びあう中で、
「4番ピッチャー
伝令が出たものの、
「ルイ、大きいのはいらんぞー! 当てるだけやぁ!」
バカでかい声が聞こえてきた。クソ親父、来てたのか。言われずとも、俺は打つって。
「
「かっとばせ、かっとばせ、みーずみや!」
両チームの応援合戦が激しくなる。その熱に押されて、体中の汗がとめどなくあふれる。だが、いつも以上にリラックスしていた。
同点止まりなら
「ボール」
外のストレートは137キロ。スピードが遅くなってきてる、打ち頃のボールだ。次も見るか。
「ボール!」
今度はスライダーが外れた。こんな絶対絶命の場面でも、ボールを3球続けて投げる攻め方を貫くのか。
3球目もボール球だろう。それは打ち取る気のない、力のないボールだ。俺はあえてそれを打つ。
高めに入ってきたストレートを強引に打ちにいった。
(続く)
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