324球目 初めての入れ替わりはだいじょばない
※今回は兵庫連合の
私が
古典の先生に提出するノートを運んどったら、階段で足をすべらせて
「いってぇなぁ。階段は慎重に下りろやし!」
「ごめんごめん。ケガせんかった?」
私が
「あれ? ひょっとして俺ら――」
「もしかして、私達――」
「「入れ替わっとるし!?」」
うわぁ。
「コラァ! 他人のおっぱい、勝手にもむな!」
「おっ、すまんすまん。これって、元に戻れるんか?」
「わからへん。病院行かなアカンかもやし」
「俺とお前がぶつかってからこうなったんやから、もう1回ぶつかってみよか?」
「そんなんで入れ替わるん?」
今度は、
「お前の超能力、めっちゃ便利やし。試合に使えるな!」
「試合に?」
「ああ! お前が相手の主力選手と入れ替わって、相手チームの足引っ張るんやし。俺は入れ替わった後のお前のとこへ打たせんよう、上手いことリードする。どないや?」
「うーん、65点」
「敵チームの人にバラされたら、どないするん?」
「そこんとこは問題あらへん。俺の“ドント・トーク・イット”で、入れ替わったこと言えんように出来るやし」
「なっ……、何ちゅうピンポイントな超能力やし!」
「これで、俺らの勝利、間違いナシやし!」
その後、私は
初戦は相手チームのキャッチャー、2戦目は相手チームのエース、3戦目は相手チームの4番と入れ替わって、勝利を収めた。
今は浜甲の4番エースの
「うっ。ト、トイレ……」
突然襲ってきた尿意。でも、誰もロープほどいてくれへん。私と入れ替わるん恐れて? ああ、このまま敵チームのベンチで、お漏らしの屈辱を味わうんか……。
「全く薄情な奴らやね。僕がほどいてあげるよ、クマちゃん」
(続く)
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