363球目 地方球場の魔物に憑かれたくない
「2番ピッチャー
「いったぁー! 一体、何や」
彼が起き上がろうとすれば、自分の右足の下にゾンビのように腐った手があった。それは、半分ぐらい骨がむき出している悪霊だった。焦点の合わない目で、しゃがれ声を上げる。
「転ばせてぇ、転ばせてぇ」
幽霊をよくよく見れば、なにわクロコダイルズの前身・
「この人、転倒男・
「転倒男?」
「知らんのかいな。ワイが死ぬ2年前、ファイアーズがオルカ大阪と優勝決定戦やって、サヨナラのランナーのこいつがこけてアウトになったんや。その後でオルカに勝ち越されて優勝はパー。色んな人から転倒男言われて、2軍に落ちとったな。もう死んどったんか」
その後、
「転ばせてぇ、転ばせてぇ」
「うっさいなぁ。そんな転ばせたかったら、あのピッチャー転ばせや!」
「
「わ、わかった……」
「アホ―! ピー前に転がすかぁー!」
「いやぁ、ゲームセット!」
すると、
(続く)
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