362球目 山椒は小粒でもぴりりと辛いの意味が正確に答えられない

※今回は宅部やかべカオル視点です



 はぁ、クソ暑いな、今日は。去年の今頃やったら、涼しい部屋ん中でゲームしとったな。本音を言えば、今すぐ自分の部屋こもって、アイス食べてゴロゴロしたい。



 でも、やっぱ、負けたら廃部っていう緊迫きんぱく感は、バーチャルじゃ味わえんわな。まだまだまだ、こいつらと野球したいわ。



 自分がベストのバッティングしてくれなんて言われたら、期待に応えるしかないやろ。最終回でバントを命じたクソ監督(https://kakuyomu.jp/works/1177354054895930927/episodes/1177354054897026989)とは違うで、グル監は。



 相手ピッチャーは俺より背が高い。きっと俺のことを見下してる。ちゃっちゃと終わらせようなんて思うとるに違いない。てめぇの思い通りにさせてたまるか。



 俺はオーバースローからのストレートにヤマを張る。今日、自分が一番自信のあるボールを投げて、ゲームセットにしたい思うんが、ピッチャーの性や。俺だってそうする。さぁ来い!



 生野いきのはセット・ポジションから左足を上げ、腕を振り上げた。速いボール、狙い通り!



 俺は強打者のスイングで振り切った。打球はセンターの頭上を越える。これはツーベースヒットになりそう。



 1塁を蹴って2塁へ向かう。センターが捕ってセカンドへ投げる。きわどいタイミングやけど、もう止まらない。



「セーフ、セーフ!」



 ふぅー、間一髪かんいっぱつ間に合った。浜甲はまこう打線よ、俺に続けぇ!!



(続く)



※1か月後の4月23日に、ゲームセットは聞こえない連載1周年を迎えます!

このキャラのメイン回やこんなキャラ出してほしいなどの要望があれば、どんどん応えていくので、よろしくお願いします。

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