97球目 個人練習はおろそかにしない(宅部の場合)
「最近の
「授業中ずっと起きてるもんなぁ」
「目の下のクマも消えとるし」
クラスメイトがヒソヒソうわさする中で、
※※※
昼休み、
「あっ、
笑顔の
「
「ファストボール見せて下さい」
「私も間近で見たいなー」
「ストレート速くなったよね。この前の試合、ストレートほとんど打たれてへんと違う?」
「いやぁ、まだまだ速くなるよ」
グローブで照れ隠しをする
「み、
「えっ? 何の勝負ですか?」
特に何の勝負か決めていなかった
「ええ、どっちが
「いいですよ。
「うん。面白そうやし、やろやろ」
先に投げるのは
「どうした? いつもなら打ってるだろ?」
「うーん。あれ打っても内野ゴロやし」
「次で決めるぞ」
左打者の
「ライト前ヒットですね、ミス・ツトー」
「ううう。ストレート投げると見せかけたのに」
次は
またもや快音を響かせてレフト前へ。
「このバトルの
「2打席目もやりたいけど、時間ないし、じゃんけんで決める?」
「俺の負けでいい」
彼はそう言ってグラウンドを猛ダッシュで去る。
まだまだエースへの道のりは長い。自分の力のなさを痛感した彼は、より一層の強化を誓い、授業中は空気イスで受けることにしたのだ。
「どうしたの、
(夏大予選まであと59日)
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