98球目 個人練習はおろそかにしない(山科の場合)
金曜日、誰もいない体育館で1人、
「もったいないわな、
プラスチックのバットをかついた生徒指導の
「元々、僕は野球少年なんですよ。野球部が無かったから、バスケを始めただけで」
「そんなに野球好きなら、別の高校に転校したら良かったものを」
「好きな子が出来ちゃったから、それはムリでしたよー」
ヘラヘラと笑う
「そういや、いつも連れとる女子達はどうした?」
「ああ。今日は先に帰ってもらってます。たまに1人になりたい時あるんで」
「それでバスケか。ホンマはバスケに未練あるんと違うか?」
「ないと言ったら、嘘になりますよ。でも、何やろう。あのウサちゃ、
「なるほどな。そんなん聞くと、俺も野球やりたなってきたわ」
「野球部の顧問はどうです?
「いや、俺は遠慮しとく。帰りが遅いと女房に叱られるからな」
「そうですか、残念」
「せや、
ハテナマークを目に浮かべる
「バスケのボールでも入れるのは難しいロングスローを、さらにちっこいボールでやってみろ。コントロールと肩がようなるぞ」
「あっ、ありがとうございます! 僕、やってみます!」
「俺ももうちょい若かったらなぁ」
「7時半なったら、電気消しとけよー」
(夏大予選まであと56日)
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