147球目 理事長夫人がじっとできない
最終回に
「キー! 何で、何で、こうなるの?」
彼女はパイプイスを蹴って、血走った目を校長・教頭コンビに向ける。
「だ、だ、だ、大丈夫や。うちの打線はここ一番で強いから。春の府大会決勝はサヨナラ勝ちやったし」
「そうです。それに、
浜甲は逆転するために、代走や代打を送った。その結果、セカンド
「お金が嫌いな人間はいない。みんな打ってくれますよ」
「ええ。わかってるわ」
※※※
「俺は基本的にスタメンを代打や代走で替えない。俺が1番自信を持って出したメンバーやからな。100名を超える部員の中で、1番打つのがお前ら9人や」
監督は1人1人の顔をのぞきこむ。皆は押し黙ったままだ。
「さて、この中で、あのピッチャーを打てないと言う奴はいるか? もしいたら、代打を送ったるぞ」
もちろん、皆は唇をかんで無言をつらぬく。
「ほな、この回2点以上入れられるな!」
「はい!」
「絶好球だと思っても長打を狙うな! 7回と同じくコンパクトに振っていけ! 以上!!」
「はいっ!!」
はたして、
(続く)
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