167球目 野球部の責任教師がいない
「よう、
「おっ、お前は
高校3年のインターハイでは、
「俺さ、来年から、このラグビー部の監督になるんや。浜甲を強豪校にするから、よろしくな」
「おかしいな。うちはラグビー部ないぞ」
「ああ。それやったら、野球グラウンドを改築して、ラグビー用に変えるそうやで」
「そうか。ほんなら、野球部はどこで練習するんか」
「
「失礼します」
「お疲れ様ですわ、鉄家先生。何のご用事?」
「理事長夫人! 野球部が甲子園に出ないと廃部というのは事実でしょうか?」
理事長夫人は冷ややかに笑って答える。
「そのとおりよ。学校の品位を汚す恐れのある部活動は、出来るかぎりなくしたいもの」
「た、確かに、今の野球部には、
「あら。
それもこれも、彼女が監督兼顧問(責任教師)だからである。
「了解いたしました。では、私は野球部の責任教師になります! そして、野球部を全力でサポートします!」
「部活手当は出さへんで―」
理事長が間延びした声を出す。
「そんなもの、いりません! ただ、私は野球部を支えたいだけです! 失礼しましたっ!」
(夏大予選まであと10日)
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