430球目 イケメンとサングラスの組み合わせは危ない

 真池まいけさんは9人内野でサードゴロ、東代とうだいが三振、未だにヒットが出ていない。ここは山科やましなさんに期待するか。



 山科やましなさんは鉄家てつげ先生にサングラスと耳栓を借りて、オネエ対策バッチリだ。女性ファンはグラサン山科やましなにメロメロで、ますます歓声を上げる。



 サングラスで多少ボールが見えづらくても、先輩は天性のバッティングセンスで打ち返す。センターオーバーのツーベースヒットになった。



 彼がサングラスを取ってスターのウインクをすれば、女子達が奇声を発する。



「監督、重たいバットありますか? 番馬ばんばさんに渡したいんですが」


「練習用のバットならあるわよ」



 津灯つとうが金曜の特訓用の重量バット(https://kakuyomu.jp/works/1177354054895930927/episodes/1177354054898620878参照)を持って、番馬ばんばさんへ渡しに行く。



「何でバットを変えたんだ?」


「カーブとシンカーはダウンします。ミスター・バンバのスイングもダウンさせれば、ジャストミートです」


「あっ、そっか! いつもより重いバットでヘッドを下げて、落ちるボールに当てやすくするのか。津灯つとうやるぅ!」


「エヘヘ。褒めるのは番馬ばんばさんが打ってからね」


「うおりゃああああ!」



 番馬ばんばさんが叫ぶと、打球がバックスクリーン目がけて飛んでいく。逆転2ランホームランだ。



(続く)

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