　甲子園出場した高校が次に望むのは、甲子園優勝だ。

　埼玉（さいたま）翔出（しょうで）はセンバツ優勝を遂げ、夏の優勝も狙っている。俺たち浜甲（はまこう）学園は、通過点にしか思ってないだろう。

　エースの夜尾（よるお）はMAX128キロながら、シンカーとパームとカーブで打ち取る技巧派女子だ。センバツでは30回4失点、夏大では36回1失点の抜群の安定感を誇る。

　キャッチャーの青郡（あおごおり）は盗塁阻止率100％の強肩。打ってもセンバツ2ホーマー、夏大3ホーマーの4番打者だ。

　1番セカンドの友野（ともの）は、夏大24打数12安打と打ちまくり、出塁すれば2盗3盗できる俊足だ。守備は宅部（やかべ）さんより上手いらしい。

　2番ライトの千本（せんもと）さんは、友野に次ぐ5盗塁を決め、要警戒。

　3番ショートの分多（ぶんた）は打率1割なのに、チームトップの9打点というクラッチヒッター。出来るだけ、彼の前にランナーを出したくないね。

　代打の越岳（こしだけ）は6打数5安打7打点1ホーマーの代打の神様ぶり。

　控え投手の三原（みはら）はキャッチャーと外野も守れるスーパーサブ。ストレートはグニャグニャ動くムービングファストだ。

　彼ら以外もよく打ち、よく守れる名手ばかり。弱点は全く見当たらない。

　しかし、どんな相手でも必ずミスをする。そのミスを突けば勝てると、津灯（つとう）は熱く語ってくれた。

　龍ピッチャー、ワニ男、刈摩（かるま）、データ野球に勝ってきた浜甲（はまこう）学園は、センバツ王者にだって勝てるはずだ！

（8回表終了）

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