5万PV記念おまけストーリー ロックンロールな「ゲームセットは聞こえない」完成?

 準決勝の余韻よいん冷めやらぬ夜、音楽室にて、デヴィッド真池まいけは父とビデオ通話していた。



「ダディ、聴いてくれ。浜甲はまこう学園ベースボールクラブの応援ソング作ったよ」


「OK。たっぷり聴かせてくれ」



 真池まいけはギターをかきならして歌い始める。




「ゲームセットは聞こえない」

作詞・作曲・編曲:デヴィッド真池


最終回 2アウト 2ストライク 絶体絶命

どんな ボールでも 打ちたいと 思ってるけど


あきらめかけたその時に

君の声が俺に届く

どんなに速いボールでも

喰らいつくあなたが好きよ


このゲーム負けたままで

終わらせたくないんだ


ゲームセットは聞こえない どんなに点差がつこうとも

勝利への執念が 相手を打ち負かすんだから

とめどなく流れる汗と 湧き上がってく歓声で

心が燃え上がるよ バットを振らなきゃ何も始まらない



最終回 1点差 フルベース フルカウント

どんな 形でも 殺すと 思ってるけど


1人ぼっちのマウンドに

君の声が僕に届く

しびれるほどのストレート

投げぬくあなたが好きよ


負けのゲームは

もうこりごりなんだ


ゲームセットは聞こえない いくら相手が強くとも

この一球入魂の 精神で抑えるんだから

とめどなく流れる汗と 湧き上がってく歓声で

心が燃え上がるよ ボールを投げなきゃ何も始まらない



ゲームセットは聞こえない 2人のプライドがぶつかって

勝利の女神が どちらに微笑むか迷うから

まぶしすぎる太陽と 透き通った青空で

その先を信じたくなるよ ゲームセットになるまで

勝利の行方は 誰もわからない




「どうだい、ダディ?」


「うーん。2番サビから3番サビまでに、何か盛り上がりを入れてほしいね。あと、最近のヒットソングは、イントロ無しでいきなり始まるのが多いから、デヴィッドもそのムーヴメントに乗ってほしいね」



 浜甲はまこう学園の校歌を作った真池まいけパパの指摘は、デヴィッドのロック魂にグサッと刺さる。



「サンクス、ダディ! 甲子園までにスペシャルソングに仕上げるよ!」



 彼は野球とロックをつなげるバントマンだ。



(続く)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る