ゲームセットは聞こえない～超能力野球奇譚～

7回表 もう1つの準決勝 データ野球VSロングサイドハンド

409球目 準決勝は甲乙つけられない

　夏の全国高校野球選手権大会の兵庫県予選準決勝第2試合、森脇（もりわき）工業と神戸（こうべ）ポートタウン大付属の好カードになりました。

　森脇（もりわき）工業は、エースの足手（あしで）君が24イニング4失点の好投。彼は左のサイドスローで、左手が伸びる超能力を使います。角度のついたロングサイドハンドは、幾度となくピンチを切り抜けてきました。

　さらに、登録メンバー全員が盗塁できる脚力を持ち、1番の中迫（なかさこ）君、2番の鳥森（とりもり）君、3番の野田（のだ）君のスーパーカートリオは5試合で計19盗塁。多くのバッテリーを苦しめてきました。

　絶対的エースと機動力野球で、28年ぶりの甲子園出場を狙います。

　対する神戸ポートタウン大付属は、村下（むらした）監督のデータ野球が冴えわたり、3年前から県内無敗を続けています。試合前の野球ゲームの結果でスタメンを決めるという日替わり打線で、今年の夏は登録メンバー全員がスタメンを経験しています。層が厚い。

　今大会はエースの鮎川（あゆかわ）君、女性投手の大柴（おおしば）君、ドクターKの増川（ましかわ）君ら3人の継投で勝ち上がってきました。彼らは42イニングを投げて7失点、抜群の安定感を誇ります。

　本日は、今大会初先発となる大柴（おおしば）君、左のサイドスローです。これまで9イニングを投げて無失点、打たれたヒットは1本だけです。

　データ野球と3本柱で、4年連続の甲子園出場を狙います。

　試合は、12時30分プレイボールです。

（続く）