163球目 偵察がバレたらいけない(湯之浜高校)

 湯之浜ゆのはま高校は城崎きのさき温泉(某大号泣議員が政務活動費を使って行ったとされる温泉)の近くにあり、甲子園駅から3時間以上かかる。この長丁場ながちょうばの移動の偵察ていさつに起用されたのは、津灯つとう千井田ちいさだ。



偵察ていさつ終わったら、温泉行こやん」


「いいですね! 美肌の湯に入りたいなぁ」


「あたいは獣人も入浴可能なとこやん」



 学校への道中で、2人は温泉の期待をふくらませる。



※※※



 湯之浜ゆのはま高校の周辺には、いくつもの温泉宿がある。湯之浜ゆのはま校内にも足湯や砂風呂があった。



 グラウンドはサッカー部と兼用で、数人のバッターがネットに向かって打っていた。守備練習では、ひたすら内野フライやゴロを捕っている。



「ナイスキャッチ―!」


「アホ! サッカーボール捕ってどないすんねーん」


「おめぇはゴールキーパーやなくて、内野手やろぉ」



 間違ってサッカーボールを捕った部員に対して、他の部員がツッコミを入れている。



「狭いけど、みんな工夫しとるやん」


「あたし達も、もっとグラウンドを有効活用しないと」



 2人は練習をある程度見たら、温泉街へ消えていく。温泉、湯上がりサイダー、射的などを楽しんで、大満足の偵察ていさつになったようだ。




高校名:湯之浜高校

レビュー者:津灯麻里

投手力:7

打撃力:6

守備力:7

総評:3人の投手が個性豊かで、ストレートが速い、フォークが落ちる、カーブがよく曲がるというラインナップ。グラウンドを使える範囲が狭くて、外野は使えないから、バッターは遠くに飛ばしたがってます。内野守備は良いけど、外野手は未知数。バランスが良い好チームです。




高校名:湯之浜高校

レビュー者:千井田純子

投手力:7

打撃力:7

守備力:7

総評:投手はめっちゃ打ちにくそうなボール投げてる。バッターは宅部や津灯みたいにヒットをたくさん打つタイプが多い。守りも上手。でも、あたいみたいに足の速い子はいないかな。みんな楽しくやっとるから、チームのムードは良さげ。



(夏大予選まであと12日)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る