390球目 俺のボールが通用しない
「7番ファースト
いかにも打ちそうなガッチリした体型の男が打席に入る。
「ミスター・ミズミヤ、一生懸命リードしますので、コントロールに
「おう、わかった」
とは言うものの、今の俺のボールで
「ほっしゃあ!」
初球は
「ファール!」
「前へ打たんかい、前へ!」
「すみません」
帽子を取って監督に謝るとは、礼儀正しいな。いやいや、感心してる場合じゃない。
2球目は
「ファール!」
今度は3塁側の
3球目は低めに落ちるチェンジアップ。力を抜いて投げたつもりが、ホームベースに叩きつけてしまう。
「ボール!」
ストレートとスライダーは打たれ、チェンジアップはボールに。だが、まだ俺にはバルカンチェンジがある。
「ファール!」
あまり変化せず、真後ろに打たれてしまった。もう投げる球種がない。目の前が真っ白になる。
俺はタイムを取ってベンチへ走る。
「すみません。
(続く)
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