272球目 真夜中のトイレに行きたくない
ついに、明日は4回戦だ。この試合に勝てば、各ブロックを3回以上勝った強豪校と当たることになる。
「
「うん。僕の華麗なホームランで、コールド勝ちさせるよ」
「おやすみー」
しゃべり疲れた俺達は眠りにつく。そして、目覚めたら朝に――。
俺が目覚めたのは、2時半という嫌な時間帯だ。隣の
「あれ?
「はい。うっ、トイレ行きたい……」
しかし、真夜中の校内は怖い。他の部員が寝てる中で電気をつけるワケにはいかないし、何かに出会ってしまうかもしれない。
「実は俺もトイレ我慢しとって。一緒に行こか」
「はいっ! 行きましょう」
連れション相手ができて良かった。これで、おもらしせずに済んだぜ。
「そういや、OGの姉さんから聞いた話やけど、真夜中の
「本当ですかー? トイレ行く前にそんな怪談やめて下さいよー」
「まっ、幽霊や鬼を見慣れとるから、そういうのあんま怖ないけどなぁ」
確かに、
俺達はトイレの電気をつけて、小便を済ます。俺は軽く水で手をもんでおしまい。
「試してみよか」
「えっ? ホントにやるんですか?」
「反応ナシか」
「帰りましょうか」
俺達が出口へ向かおうとすれば、突然、個室の中からドンドンドンと激しくドアを叩く音がする。
「えっ? 誰か入っとった?」
「いや。でも、電気消えてましたし……」
電気をつけずに真夜中のトイレにこもる奴がいたら、それはそれで怖い。
俺達が3番目のトイレを開けようとすれば、電気が消える。
「うわっ!
返事がない。俺は手探りでトイレの個室ドアをさわりながら、スイッチまでたどり着く。
「今、つけますよー」
スイッチを押せば、トイレ内が明るくなる。電灯の寿命じゃなくて良かったぁ。
「えっ? や、
トイレの床で、
「
俺は
だが、
「し、死んでいる!?」
(続く)
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