27球目 バケモノを説得できない
芝生の巨人を倒そうと、
「アカン! こいつ、性別ないから、僕の誘惑の瞳が通じない!」
×印の瞳の
「フフフ。こういうモンスターは、オレのデスヴォイスでノックアウトするもんさ。くらえ!」
「何なんだよ、これ!」
俺は芝生の巨人に手当たり次第にボールを投げるが、ダメージ0だ。巨人は壊れたCDみたいに「ヤキューブツブス」と連呼する。
「出たな、悪霊! 今日こそ退治してやる!」
空から声が聞こえたので、見上げてみれば、カラスの羽と口ばしをつけた男が降りてくる。彼は金色の杖を巨人のすねにぶつけて、怪しい呪文を唱える。
「破! 破! 破!」
芝生の巨人の動きは鈍くなったが、大きな石をあちこちに落として危険だ。警察か自衛隊を呼んだ方がいいのでは。
「ねぇ! あなたはこのモンスターの倒し方わかるの?」
「わからん。俺っちが入学してから、何度もこの“野球部殺し”と遭遇しているけど、完全に消滅したためしがあらへん。ただ、野球部がつぶれたら、一時的におとなしくなるみたいや」
野球部が復活できなかったのは、このモンスターのせいか。でも、野球部をつぶして何の得があるんだ?
「皆と楽しく野球やりたいだけやのに」
「おっ、おい! 近づくな、危ないぞ」
「
カラス男と俺が叫んでも、彼女は歩みを止めない。しかも、大木の足をよじ登って、巨人の太ももをコアラのようにしがみつく。
「ただ今をもって、
(水宮入部まであと3人)
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