267球目 ゲームセットに抗わない
「えー。まずます雨が激しくなり、降りやむ気配が見られないため、本日の試合は、ここで終了とさせていただきます」
「ゲームセット!」
勝った。やった!
今回も厳しい戦いだったが、
「ありがとうございました!」
「甲子園行って、浜甲の
「はいっ! ありがとうございます!」
敗れても
「試合続けろー!」
「こんなんで負けとか、ありかよー!」
選手達は負けを認めているのに、応援団の一部は未だにゲームセットに
「もう我慢できへん!」
なんと、1人の男子生徒が、スタンドからグラウンドに降りてきた。彼の手には
「クソ
男が
「神聖なグラウンドを汚すな」
彼はショベルカーのすくうところ級の口を開けて、恐怖で固まった男を飲み込む。彼の首回りは、男の体のラインがくっきり浮かぶ。
「あ、あのー、その男は大丈夫なんですか?」
俺が恐る恐るたずねると、
「心配いらん。消化まで3時間かかるからな。それまでに出すつもりやで、おチビドラゴン君」
「は、はぁ……」
俺はつるつるのドラゴン頭を尖った爪でかく。
何はともあれ、3回戦に勝利した。あと5回勝てば甲子園出場……、まだまだ長いなぁ……。
浜甲000 001 3……4
満賀010 101 0……3
(4回裏終了)
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